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1999年10月26日から2004年10月12日まで続けたマーケティング的コラムをブログとして復活させました。 大昔に会社の部門報に書いた文章も少々。
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日本プロ野球も、史上初のストライキ。

マスコミで取り上げられるファンの声は、「野球がないと、こんなに寂しいなんて」というものが多かったような。
そりゃそうですね。
それがマスコミというものですから。

個人的には、野球なぞなくても、意外とオッケーということが分かりました。
というか、今までいかにプロ野球に時間を取られていたかが分かりました。
これが優勝を狙えるようなチームを応援しているなら、まだいいんでしょうけどね。
こちとら、最下位争いなんだから。
ホンマ無駄な時間でしたなぁ…。

そんなプロ野球に、楽天も参入の姿勢。
それどころか、「何かいいこと奥菜恵」を奪っていったサイバーエージェントの社長まで、参入したいと言い出す始末。
こうなったら、サイバー企業だけで、「サイバーリーグ(通称サ・リーグ)」でも結成すればいいのにと思うんですけどね。
ヤフーと、ついでにマイクロソフトも、チームを持つとかね。

それにしても、あの無能なコミッショナーは、どうです。
あの人、経歴は凄いですよね。

「京都大学法学部卒」
「京大時代、現役で司法試験合格」
「神戸地検検事、法務省官房長、法務事務次官、東京高検検事長を歴任」
「公正取引委員会委員長」
「日本電信電話社外取締役」

教育ママが、理想として描きそうな人生。(--;)
でも、日本中に知らしめた、あの無能っぷり。
無力じゃなくて、無能をさらけ出したところが痛かったですね。
だって、高検の検事長ですよ。
こんな無能でも犯人を追い込めたんですかね。

そしてご丁寧にも「公正取引委員会の委員長様」ですからね。
今のプロ野球を「公正な取引」の視点で判断してくれるだろう人がねぇ。

プロ野球の大改革もさることながら、これまで多くの人が囚われていた様々な肩書きについても、見る目が変わってくればいいですね。
禍転じて福となって欲しいものです。

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ところで、日経MJの新製品週間ランキングでは、テレビ朝日系列で放映中の「マシューズベストヒットTV」のドリンクのトップだそうです。

中味は、シトラスの香りをつけたソーダで、キリンビバレッジと提携して作ったもの。
この時期、炭酸飲料が売れるなんて、ちょっと珍しい。
番組の勢いを感じますね。

このドリンク、パッケージが5種類あるそうなのですが、そのシュリンクがこんな感じ。

容器の凹凸よりも、シュリンクの方が大きく、裾(?)が微妙にはみ出ています。
何か「やっつけ仕事」って感じ。(^-^;)
キリンビバも、どうせ一過性のものということで、手抜き仕事?

いや、このドリンクはパッケージこそがポイントのはずで、それを妙に小さくしてしまうと、存在感が弱まりそうだから、あえてデカ目のシュリンクにしたのでしょうか。
それに、リサイクルのためには、シュリンクを取らなければいけないから、意外とこの方がいいのかも。

それにしても、この「マシューTV」、私がよく見ていたのは2年前くらい。
あの頃は、まだ藤井隆のオタク番組という感じがして、それがよかったんですね。
彼が子供の頃好きだったアイドル歌手(今はオバサン)を呼んで、一緒に歌ったりして、カルト臭満載でした。
石川ひとみとか、大場久美子とか…。

とはいえ、あの番組が、最も「らしい」部分は「スナックゆかり」のはず。
ドリンクのパッケージにもお店の看板は、ちゃんとあります。

あのわずか1分程度のコーナー(?)に、どれだけの意味があるのか。
赤羽のカラオケスナックの映像を、公共の電波に乗せることにどういう意味があるのか。
その意味を感じ取れる人だけが、マシューTVの視聴者だと思ってました。

でも、いつの間にか、内容にタイアップが増えたりして、つまらなくなり、見ていませんでした。
で、久々に最近見てみたら、横浜の八景島シーパラダイスでイベントをやっていた。
当然超満員でね。
そして、このドリンクの発売の告知もしていました。

こうなると、ますますつまらないんですよね、私としては。
あのマイナー感がよかったのに、すっかりメジャーになってしまうと、面白みが薄れる。
幾多の深夜番組が、ゴールデンに進出した途端、猥雑さを奪われ、視聴率が低下していくのと同じこと。

で、一つ分かったのは、自分は流行の真ん中にはいられない人間だなということ。
あれほど見ていた番組でも、これだけメジャー化してしまうと、どこか空虚感をもって見てしまう。
「自分だけしか知らない感」がないと、私はダメみたいです。
流行の最先端ではなくて、自分だけの世界。
そういうところにいたいみたいですオレっちは。

まあそれでなくとも、番組をメジャーにしようというスタッフの意気込みみたいなのが、どうも空回りにしか見えないんですよね。
それがイヤ。

その点で、自分のスタンスをきっちりと守り続けている唯一の深夜番組、それは「タモリ倶楽部」。
もっとも、あれはタモリが、「笑っていいとも」や「ミュージックステーション」という「まともな番組」をやっているからこそのはず。
タモリ自身が遊べる番組を作る余裕につながっているのでしょうけどね。

その点では、これから伸びようとする芸人には、深夜番組から火が付くということは、必ずしもいいことではないのかも。
今ブームになりつつあるお笑い芸人たちは大丈夫なのかな…。

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同じ日経MJを眺めていて、「POSシェア8月ランキング」のところを、ふと注目。
「即席袋めん」のシェアトップが日清食品になってます(シェア31.8%)。
2位はサンヨー食品で20.1%。
感慨深いものがありますね。

袋めんは、長くサンヨー食品の独壇場だった。
元祖インスタントラーメンの日清としては、歯がゆい思いをしてきたことでしょう。
いくら、特許を公開して、インスタントラーメンの普及に貢献したといっても、シェアトップを譲っていいはずがない。

この日清のシェアトップは、いうまでもなく「チキンラーメン効果」。
シェアを逆転して、さらに10ポイントの差をつけるほどの勢いだったんですね。
これまでは、「売上が○倍」という記事しか目にしませんでしたが、こうして「シェア」となってみると、いかに画期的なことだったかが分かります。
ホント、たかが「くぼみ」をつけただけだったんですけどね。

こうしてみると、サンヨー食品が「サッポロ一番」のCMに、新婚の椎名桔平夫妻を起用してきた理由も分かります。
いつまでも、藤岡琢也じゃまずいですもんね。
何もしないわけにはいかない。

でも、これでチキンラーメンの勢いを食い止め、再逆転するかといえば、そこまでのパワーは椎名夫妻には正直ない。
このくらいであれば、「日清のラーメン屋さん」のCMが松坂慶子から岸谷五朗に変えたことで、十分太刀打ちできるはず。

むしろ日清としては、サッポロ一番と日清のラーメン屋さんをライバル関係にした方が、「おいしい」のでは。
商品コンセプトからすると、直接の競合がないチキンラーメンを独走させることができますから。
その意味で、今回のサッポロ一番のCMを、芸能人新婚夫婦にしてしまったことは、ちょっと失敗だったのではと思っています。

残念ながら、「即席袋めん」のシェアは、さらに拡がっていく。
そう思っています。

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そして、同じシェアランキングを見ていて、先週取り上げたトイレ関係を見ていくと、「住居洗剤」のシェアは、花王がほぼ50%を握っている。
2位はジョンソンで14%、小林製薬は、4位で5%程度。

一方の「消臭・芳香・除菌剤」のシェアは、小林製薬が50%で断トツ1位。
2位のエステー化学25%と、こちらもかなりの差です。

ところで、先週の「トイレマジックリンパワーリキッド」は、どちらのシェアにカウントされるのでしょうか?
確認したところ「トイレマジックリンパワーリキッド」の商品分類は「トイレ用合成洗剤」。
そう、小林製薬の「消臭・芳香剤」ジャンルでのシェアには影響しないのです。

ところが…。

うちの近所のイトーヨーカ堂に行って来たら、こんな感じの棚になっておりました。

「マジックリンパワーリキッド」と「ブルーレット」が棚をせめぎ合っているのですが、問題は、「~パワーリキッド」の隣にある商品。
これ「ブルーレット液体トイレ洗浄中」という商品です。

いつ発売されたのでしょうか?
パッケージには「NEW」の文字がありましたから、最近なのか…。
もし花王より先でしたら、先週のコメントはごめんなさいですね。<(_ _)>
でも、花王より後だとしても、その開発スピードに、今度は「恐れ入りました」です。
先週は「年内に発売してきたら…」などと書いてしまいましたから。

花王に「マジックリン」というブランドがあったように、小林製薬には「洗浄中」というブランドがあった。
ちょっとブランドとは定義しがたい名称ですが、それもまた小林製薬の強み。
「ポット洗浄中」「トイレ洗浄中」のブランドを活かしたんですね。

そして、最重要ポイントは、この「洗浄中ブランド」を使うことによって、「ブルーレット液体トイレ洗浄中」の品名は「トイレ用合成洗剤」となったこと。
そう、商品ジャンルとしては、「ブルーレットおくだけ」と何ら変わりがないのに、いきなり花王と同じ「戦場」に打って出たというわけです。

花王と小林製薬のプライドを賭けた戦い。
プロ野球のゴタゴタなんかより、よっぽど面白いですね。
ここには、能無しの経営者や元公取委員長の能無しコミッショナーもいません。

花王も小林製薬も、お互いマーケティング力・営業力ともに、人後に落ちないものがある。
特にマーケティングに対する考え方は、ある意味正反対ですからね。
日本のマーケティングをリードしてきた花王と、関西商法とでもいうべき、えげつないマーケティングでのし上がってきた小林製薬。
「エリートのマーケティング」と「野性のマーケティング」との戦いとも言えましょうか。

花王とライオンの戦争を、プロレスの戦いとするなら、こちらはまさに「異種格闘技戦」の様相。
お互いのプライドを賭けた戦いです。
この「トイレ戦争」、まだまだ注目が必要です。



 
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