1999年10月26日から2004年10月12日まで続けたマーケティング的コラムをブログとして復活させました。
大昔に会社の部門報に書いた文章も少々。
何年か前から、「カジュアルデー」を取り入れる会社が増えている。
スーツ姿で出社するのはやめて、普段着で出社しましょうというものである。
導入する理由としては、「これまでの考え方にとらわれない自由な発想を引き出す」などが最もよく言われている。
会社の中に、オープンな雰囲気をかもし出して、画期的なアイデアでも思いつく従業員でも出れば、会社としてはラッキーという感じなのだろうか。
しかし、はたして「カジュアルな格好をするだけ」で、自由な発想ができるのだろうか。
私は疑問である。
疑問とはいっても、オジさんたちが、ゴルフシャツしか着るものがなくて、不格好だから、というものではない。
もちろん、いわゆるホワイトカラーの話で、工場勤務などのブルーカラーの話ではない。
「カジュアルの本当の意味」を履き違えてはいけないというものである。
ところで、これまで、画期的な商品を開発し、ヒットさせた人たちは、カジュアルなスタイルで考えたのだろうか。
私は全く正反対だと思う。
画期的な商品やアイデア、ひいては芸術は、「抑圧されたところから生まれるもの」だと考えている。
極端な例かも知れないが、ニュートンが万有引力の法則を発見したのも、「偶然リンゴが落ちたから思いついた」のではなく、「引力(みたいなこと)を考えに考えて、考え抜いたところに偶然リンゴが落ちて閃いた」と、本で読んだことがある。
ニュートンも、単にその辺をプラプラ散歩してて、リンゴが落ちたのを見て、「おー、これは画期的なことだ」と思いついたのではないということである。
あまり良い例ではないかも知れないが、「ジャズ」だって、抑圧された黒人社会が生み出したものだそうである。
さらにいえば、「金持ちになって、ブヨブヨになったミュージシャン」が「いい曲」を書いたことがあるだろうか。
ファンには怒られるかも知れないが、太ったエルビス・プレスリーは、デビュー当初の遺産で食いつないでいたようにしか、私は見えない。
ポール・マッカートニーだって、いい曲を書いていたと、誰でも見とめるのは、「She Loves You」から「My Love」までの、10年あまりだろう。
人間金持ちになってしまうと、つまり「ラク」ができるようになると、いいものは創り出せないのではないだろうか。
--------------------------------------------------------------------------------
話は戻って、「カジュアルデー」である。
これはおそらく、かつてのシリコンバレーを中心としたアメリカ西海岸の会社が発生源なのだろう。
堅苦しいスーツに「縛られることなく」、TシャツにGパンで「画期的な仕事」をやっているようなイメージ。
でも、これはテレビで見た話だが、あの西海岸の奴らが、そんな格好をする(していた)理由は、「会社に1週間くらい泊まりこんで仕事をする」から、「この格好じゃないとやってられない」、というものであった。
確かではないが、あのビル・ゲイツが言っていたような気もする。
日本の今の会社で、何日間も泊り込んで仕事をする会社が、どれだけあるだろうか。
今、時代の最先端を行っているネットベンチャーの奴らは、マスコミが「一攫千金を夢見て」とか、「既存の会社に満足せず」といった論調でしか取り上げないが、おそらく彼らは「死ぬほど働いている」のではないか。
そんな人は、別にどんな格好でもいいだろう。
ワイシャツなんて、洗うのが面倒なだけだ。
ましてや、ネクタイなんてしながら寝る奴はいない。
彼らは、デスクワークをしているが、自分がホワイトカラーなんて気持ちはないだろう。
ゴールデンカラーなどと格好良く呼ぼうとする人もいるみたいだが、むしろ、頭を使う肉体労働だと思っているのではないか。
その意味では、旧来の定義では、ブルーカラーに分類したほうがよいかもしれない。
毎朝9時に出社して、せいぜい6時ごろに退社できるような会社には、基本的には、カジュアルデーはいらないはずである。
かえって、社員がチャランポランになってはいないだろうか。
会社が、従業員を抑圧することはよくないが、「自由」が「いいかげんさ」につながっていきそうな気もする。
私も仕事柄、「画期的なアイデア」を考えなくてはいけないときがあるが、すっかりリラックスしてしまった時には、案外いいアイデアは浮かばない。
むしろ、徹夜明けで、気分が妙にハイになっている時に、それまでやっていた(徹夜の要因ともなっていた)仕事とは、全く異なる仕事のアイデアを、「ふと思いつく」ことがある。
しかも、自分なりには、結構「画期的だ」と自画自賛したくなるアイデアであったりもする。
ニュートンほどではないが。
スーツ姿で出社するのはやめて、普段着で出社しましょうというものである。
導入する理由としては、「これまでの考え方にとらわれない自由な発想を引き出す」などが最もよく言われている。
会社の中に、オープンな雰囲気をかもし出して、画期的なアイデアでも思いつく従業員でも出れば、会社としてはラッキーという感じなのだろうか。
しかし、はたして「カジュアルな格好をするだけ」で、自由な発想ができるのだろうか。
私は疑問である。
疑問とはいっても、オジさんたちが、ゴルフシャツしか着るものがなくて、不格好だから、というものではない。
もちろん、いわゆるホワイトカラーの話で、工場勤務などのブルーカラーの話ではない。
「カジュアルの本当の意味」を履き違えてはいけないというものである。
ところで、これまで、画期的な商品を開発し、ヒットさせた人たちは、カジュアルなスタイルで考えたのだろうか。
私は全く正反対だと思う。
画期的な商品やアイデア、ひいては芸術は、「抑圧されたところから生まれるもの」だと考えている。
極端な例かも知れないが、ニュートンが万有引力の法則を発見したのも、「偶然リンゴが落ちたから思いついた」のではなく、「引力(みたいなこと)を考えに考えて、考え抜いたところに偶然リンゴが落ちて閃いた」と、本で読んだことがある。
ニュートンも、単にその辺をプラプラ散歩してて、リンゴが落ちたのを見て、「おー、これは画期的なことだ」と思いついたのではないということである。
あまり良い例ではないかも知れないが、「ジャズ」だって、抑圧された黒人社会が生み出したものだそうである。
さらにいえば、「金持ちになって、ブヨブヨになったミュージシャン」が「いい曲」を書いたことがあるだろうか。
ファンには怒られるかも知れないが、太ったエルビス・プレスリーは、デビュー当初の遺産で食いつないでいたようにしか、私は見えない。
ポール・マッカートニーだって、いい曲を書いていたと、誰でも見とめるのは、「She Loves You」から「My Love」までの、10年あまりだろう。
人間金持ちになってしまうと、つまり「ラク」ができるようになると、いいものは創り出せないのではないだろうか。
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話は戻って、「カジュアルデー」である。
これはおそらく、かつてのシリコンバレーを中心としたアメリカ西海岸の会社が発生源なのだろう。
堅苦しいスーツに「縛られることなく」、TシャツにGパンで「画期的な仕事」をやっているようなイメージ。
でも、これはテレビで見た話だが、あの西海岸の奴らが、そんな格好をする(していた)理由は、「会社に1週間くらい泊まりこんで仕事をする」から、「この格好じゃないとやってられない」、というものであった。
確かではないが、あのビル・ゲイツが言っていたような気もする。
日本の今の会社で、何日間も泊り込んで仕事をする会社が、どれだけあるだろうか。
今、時代の最先端を行っているネットベンチャーの奴らは、マスコミが「一攫千金を夢見て」とか、「既存の会社に満足せず」といった論調でしか取り上げないが、おそらく彼らは「死ぬほど働いている」のではないか。
そんな人は、別にどんな格好でもいいだろう。
ワイシャツなんて、洗うのが面倒なだけだ。
ましてや、ネクタイなんてしながら寝る奴はいない。
彼らは、デスクワークをしているが、自分がホワイトカラーなんて気持ちはないだろう。
ゴールデンカラーなどと格好良く呼ぼうとする人もいるみたいだが、むしろ、頭を使う肉体労働だと思っているのではないか。
その意味では、旧来の定義では、ブルーカラーに分類したほうがよいかもしれない。
毎朝9時に出社して、せいぜい6時ごろに退社できるような会社には、基本的には、カジュアルデーはいらないはずである。
かえって、社員がチャランポランになってはいないだろうか。
会社が、従業員を抑圧することはよくないが、「自由」が「いいかげんさ」につながっていきそうな気もする。
私も仕事柄、「画期的なアイデア」を考えなくてはいけないときがあるが、すっかりリラックスしてしまった時には、案外いいアイデアは浮かばない。
むしろ、徹夜明けで、気分が妙にハイになっている時に、それまでやっていた(徹夜の要因ともなっていた)仕事とは、全く異なる仕事のアイデアを、「ふと思いつく」ことがある。
しかも、自分なりには、結構「画期的だ」と自画自賛したくなるアイデアであったりもする。
ニュートンほどではないが。
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