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1999年10月26日から2004年10月12日まで続けたマーケティング的コラムをブログとして復活させました。 大昔に会社の部門報に書いた文章も少々。
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話題の「華氏911」を見てきて、ブッシュに対する怒りが、ますます燃え上がったと思ったら、ロシアの事件はあんな結末に…。

しかも、「ロシア」といいつつも、事件が起きた場所は、ロシア連邦と条約を結んでいるだけの、ごく小さな国。
そんな国の、おそらくごく普通の小学校が、テロリストに占拠されるという事実。
世界の歴史上でも、間違いなく、最も卑劣な事件の一つに数えられましょう。

こんな事が起きて、いったいどうやって解決するのか。
チェチェンを独立させるだけで解決するのか。
プーチンが、どのように考えているのか分かりませんが、大人のゴリ押しで、子供が悲惨な目に合うことだけは、もうたくさん。
そんなに戦争がしたいのなら、人間が誰もいないシベリアのどこかでやってください。

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そして、例の「華氏911」。
徐々に、内容もオープンになってきていますね。
言われている通り、前半は「ブッシュの揚げ足取り」、後半は「戦争で金儲けする亡者ども」と「戦地に子供を送らざるを得ない貧しい人たち」のドキュメント。

アメリカ人が、みんな貧乏であるわけないし、貧乏な人が皆、取り上げられているような感想を持つ人ではない。
でも、映画の中に出てきた、イラクでの子供の死体は、紛れもない事実です。
血だらけになった子供の映像はショックでした。
あえて書きますが、腕の骨が見えてました。
人の意見は「いろいろ」でしょうけど、人生の終わり方は「死」以外ありません。

小泉首相曰く、「偏った視点の映画」だそうです。
たしかに、思い切り偏っていると思います。
でも、この世の中で、「偏っていない」ものなんてあるのでしょうか。

例えば、「偏っていない代表例」としては、公共放送のNHKがあげられます。
でも、先週末、地道に盛り上がっていましたけど、アイツら、自分のところの会長が、受信料流用問題で証人喚問されるのは、テレビ中継しないそうです。

じゃあ、鈴木ムネオや辻元清美を生中継したのは、何だったのかと。
公人である政治家だから?
「公共放送」の代表者は「公人」ではないのか?
明らかにおかしいです。
偏ってます。

では、NHKは国営放送だから、足かせがあるけれど、民間放送はどうなのか。
民間放送もまた、「不偏不党」であることは、放送法に定められています。

『放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること』(放送法第1章第1条2より)

元来、「不偏不党」と「表現の自由」が両立するはずないんですね。
「自由」とは、すなわちどこかに偏ることでしょうから。
「中立」といえば、いかにも公平っぽいですが、見方を変えれば「どっちつかずの人たち」ともいえる。
スイスも「平和主義」に「偏っている」と考えられるわけです。
だから、放送局は、こんなあり得ないお題目を掲げてしまったことが、そもそもの間違い。

だから、もしマイケル・ムーアの映画を見る人は、「これはマイケル・ムーアの意見だ」ということを認識して見ればいい。
同じように、「文部科学省推薦」の映画だったら、「これは文部科学省の役人たちが推薦した映画なんだ」と理解すればいい。
こういうことを、子供のうちから教えないといけないですね。
誰かが何かを表現することは、すなわち、その人の考え方が発露したものだということを。
もちろん、私の書いた文章は、すべて「私の見方」に偏ってます。

「華氏911」の、映画としての評価はどうでもいい。
でも、これがきっかけとなって、日本にも「マスコミ」に対する姿勢を論ずるようになればありがたいことです。
もっとも、プロ野球選手を「たかが」呼ばわりする人が、大新聞の主筆だったことに多くの人が気付き、不偏不党が全くのまやかしであったことを、いち早く認識してしまいました。
これもいいきっかけでしたね。

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ところで、日本の自然災害や、世界の大事件の陰で、すっかり忘れ去られた感のある「米軍ヘリ墜落事件」。
報道ステーションの長野智子キャスターも、ヘリ墜落ネタで取材に行ったのに、時ならぬ超大型台風の取材をさせられていました。
レインウェアを着て、風速40mの中、国際通りを歩かされたりしてね。
マスコミも大変です。

とはいえ、私は忘れませんよ、米軍ヘリが墜落したこと。
そして、小泉サンがとった態度も。
彼、「夏休み」と称して、全然対応しませんでしたね。
頼りない顔した官房長官が対応しただけ。
どうしてだと思います?

はっきり言って「誰も死ななかったから」じゃないですか?
違いますかね、小泉純一郎サン?

オリンピックで金メダルを取った選手は、すぐ官邸に呼びつけるのに、沖縄の市長が、地元の一大事で駆けつけたら「夏休み」。
共産党あたりが質問してくれませんかね、「どういう状況だったら、どういう対応をしたのか」と。
彼、たしか日本の首相ですよね。
51番目の州知事というのかな、最近は。

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私も、厚木基地のすぐ近くに、長いこと住んでおりましたから、米軍機の騒音がどのくらいのものか分かります。
例えば、「タッチアンドゴー」という基地の滑走路を、航空母艦に見立てて、離着陸を繰り返す訓練があります。
あれをやられるとですね、基地から2キロほど離れた、窓を閉め切った私の実家でも、地下鉄が入ってきた駅構内くらいの音がします。

特に、雲がたれこめたような日には、騒音が雲に反射するためか、音が大反響する。
もう地獄ですよ。
しかも、そんな大騒音撒き散らし訓練を、いつやると思います?
夜ですよ、夜。
ご丁寧なことに、日本人家庭の団らんの時間、夕方6時から9時まで、きっちりやられます米軍様は。

ただ、そんな訓練を毎日やるわけではないから、まだガマンできる。
いちおう国は、防音工事はしてくれますしね。
基地近辺にある家はね。
私の実家は、工事エリアから、わずかにはずれてましたけど。

爆音問題は、まだいい。
事故さえ起きなければね。
でも、こちらをご覧下さい。

厚木基地では、過去に2回墜落事故が起きてます。
私が憶えているのは、昭和52年の事故。
横浜郊外の住宅街に墜落して、母親と小さな子供が犠牲になりました。
後に、社会党委員長となった飛鳥田横浜市長が見舞いに来たけれど、結局亡くなってしまいました。
子供は「はとぽっぽ」を歌いながら、息を引き取ったそうです。

そのニュースを涙ぐみながら読む、NHKの加賀美幸子アナが忘れられません。
今は、日曜深夜に「アーカイブス」を、まったりとやられていますね。
7時のニュースで、NHKアナウンサーが泣いたのは、おそらくあの時だけでしょう。
オリンピックで、体操が久々に金メダルを取って、嬉しくてアナウンサーまで泣いてしまったのとは、意味が違います。
加賀美アナは、後のインタビューでも、よほど印象に残っていたのでしょうか、その時のことを語っていました。
「自分の子供のことを考えると耐えられなかった」と。

身近に米軍基地があるって、こういうことなんですよ。
旅客機とは、また違う恐怖。
そして、すぐそこにある治外法権。
歴史では「日米修好通商条約」「陸奥宗光」などと一緒にしか習いませんが、実は皆さんのすぐ近くにもあるんです。

「長い目で見たら安全なんだろ」とか、「沖縄もなんだかんだでお金をたくさんもらってるじゃん」という意見の方がいらっしゃいましたら、即、自宅近くへの米軍基地誘致運動を開始されることをおススメします。
いや、こればっかりは、住んでみないと絶対に分からないから。
マジで。

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小泉政権には、数々のラッキーがあったといいます。
自分に不利な騒動が持ち上がると、何か別の事件が起きたり、相手が勝手にコケたりして、それを包み隠してくれるという幸運。

でも、今回の「米軍ヘリ墜落事件」での態度を、私は絶対に忘れないでしょう。
水産高校の研修船が、アメリカの潜水艦に激突され沈没した時に、ゴルフを優先して、首相をクビになった人が上司なのに、今回の「夏休み事件」は、どうして問題にならないのでしょうね。
夏休みだったから?
沖縄の事件だから?
小泉サンの人徳が、まだ残っているから?
このことだけでも、日本のマスコミが、決して「不偏不党」ではないことを示しているのではないでしょうか。

何度も何度も書いてきたように、荒れた人心の下では、マーケティングは成り立ちません。
イラクも、ロシアも、早く美しく終わらせて欲しいのですが…。
牛肉の輸入再開にも、せっかくメドがたったようです。
来週は、楽しいネタでまいります。
何とか200回。
これからもよろしくお願いします。

それにしても、日本は、どこへ行くのでしょうか。


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