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1999年10月26日から2004年10月12日まで続けたマーケティング的コラムをブログとして復活させました。 大昔に会社の部門報に書いた文章も少々。
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あれは昨年の冬だったろうか。
妻と子供が里帰りをしており、私は、夜食として、近所のセブンイレブンで「おでん」を買おうとした。

で、例によって、私は、あの「おでん製造器(?)」の前に立って、「あの、おでんください」と店員に声をかけた。

「何になさいますか」

当然、店員のお兄ちゃんは聞いてくる。
だが、その瞬間、私は猛烈な面倒くささに襲われた。

「自分は何を食べたいんだろう…」

もう考えることすら嫌になってしまった。
面倒くさいもの、考えるの。

と、つい言ってしまった。

「適当に見繕って!」

しばし沈黙。

「えっ、お客さん、それ、困ります」

店員のこの一言で、我に返った。
私は、ここが「おでん屋」ではなく、「コンビニ」であることを思い出した。

そうだった。
自分は、ここで「おでん」をつまんで、酒を飲むのではなく、あくまでも買いに来たのだった。

「あ、そっすね。じゃ…」と、私は「適当」に5~6品ほどお願いした。

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さて、この「適当に見繕う」である。
簡単そうで、意外と難しそうだ。
お客は、「適当」と申し出ながらも、結構「気に入らないもの」があったりする。
店員は、そこを「うまくよけて見繕う」必要がある。
また、実は意外と食べたいタネもあったりする。
私も、「適当に」といいながらも、「たこ」や「すじ」を入れてくれないと、なんとなく損をした気持ちになる。
なら、頼めばいいのにと思いながらも、ここでは「面倒」が優先されるのである。

こんな面倒な、客の気持ちを把握することは、コンビニのマニュアルにあるのだろうか。

<コンビニエンスストア従業員マニュアル集 「おでん接客篇~適当に」>

  1.  「お客様に『適当に』と指示されたら、まず『お嫌いなものはありませんか』と聞きましょう」
  2. 「続いて、『お好きなものはありますか』と聞きましょう」
  3. 「そして、それ以外は、右から一つおきに取りましょう」
  4. 「次のお客様がいらした場合、ランダムにとるときに、左から一つおきに取りましょう」

これができたら、本当に、消費者の機微のわかるコンビニといえる。
しかし、彼は対応できなかった。
私の「コンビニらしくない申し出」に。

ちなみに、以前住んでいた街の、とある店先でやっていた「持ち帰りおでん」は、「適当に見繕ってくれた」。
コンビニでは、どこまで教えているのだろうか。
まあ無理なのであろうか。
「気の利いたアルバイト」もいることはいるが、全員に徹底することは無理であろう。
むしろ、その前に、無愛想な態度の店員を、なんとかして欲しい。

では、マクドナルドはどうか。

「こんにちは~、何になさいますか。ただいまグラタンコロッケバーガーのキャンペーン中になります・・・」
「あっそう。じゃ、適当に見繕っといて・・・・」
「・・・・・・」

ぜひ一度、勇気を出して、言ってみたいものである。
レジの混乱をきたさない程度に。

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