1999年10月26日から2004年10月12日まで続けたマーケティング的コラムをブログとして復活させました。
大昔に会社の部門報に書いた文章も少々。
サントリーのCMに、ビートルズの曲、「ヘイ・ジュード(Hey Jude)」が使われている。
個別商品のCMではなく、ミレニアムを迎えて、サントリーの企業CMといってもよいものに、だ。
思えば、最近、ビートルズの曲が、あまりにも使われすぎている気もする。
イギリスでは、2000年を迎える、1900年代最後の歌として、ビートルズの「愛こそはすべて(All You Need Is Love)」か、ジョン・レノンの「イマジン(Imagine)」の、どっちにするかでもめていたはずだ。
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ビートルズの曲自体は、以前から、CMには使われていたと思う。
私の記憶では、小学生の頃に、三ツ矢サイダーのCMに「シー・ラブズ・ユー(She Loves You)」が使われていたことを覚えている。
すごく格好良かった印象が残っている。
最近のきっかけは、サッポロブロイに、前記の「愛こそはすべて」が使われたことか。
あのCMから、堰を切ったように、ビートルズのミニブームが始まったような気がする。
その後、日産のセレナに「平和を我等に(Give Peace A Chance)」を使っていた(この曲は、厳密には、ジョン・レノンとオノ・ヨーコの曲だが、発表されたのは、たしか1968年くらいだったはず。プラスティック・オノバンドで。でも、ビートルズ在籍時だったということで、強引に入れてしまっています)。
CMだけではない。
今、見ていた日本テレビの「号外大爆笑問題」で、冒頭に流れたのは、「オール・マイ・ラヴィング(All My Loving)」だった。
どうしてこんなに使われるのか。
よほど、日本人のミレニアム気分にマッチしているのだろうか。
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たかが、CMソングである。
しかし、企業は様々なコンセプトを消費者に伝えんとして、CMを制作する。
ましてや、世紀末である。
そこには、自社のイメージを消費者に植え付けたいという目的だけではなく、自分たちも「ひとつの区切りをつけたい」という思惑もあるのではないか。
「1000年代最後の」か、「20世紀最後の」かはわからないが、時代の終末を迎えるにあたって、人間は自分を振り返ることができる曲を求めているのではないか。
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ビートルズのことを、今更ここで論評する必要はないだろう。
単なるミュージシャンとしてだけではなく、20世紀を代表するアーティストとして、音楽の垣根を越えて、芸術の領域で評価されるべき対象である。
1966年の来日時は、日本武道館を貸す、貸さないで、相当もめたそうだが、そんなことも今は昔。
仮に、ポール・マッカートニーが来日して公演するのに、「武道館を貸しません」ということは、絶対にあり得ないだろう(狭すぎて儲からないから、使わないだろうけど)。
それくらい、日本はビートルズを認めた。
そして、今、企業でCMの決定権を持っている人に、「ビートルズって何?」というトンチンカンな人もいないだろう。
仮に、広告代理店やCM制作会社が、「今度の御社のCMでは、曲は、ビートルズの○○を使って・・・」とくれば、企業(クライアント)側も、「おっ、本気だね」と思うはずである。
いちいち説明するまでもなく、瞬間的に周囲を納得させてしまう力。
これが、本当の時代を超えたパワーなのだろう。
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でも、どうして、日本の曲、日本人の曲ではダメなのだろう。
私は、愛国主義者ではないが、もう少し、自分たちの国の言葉を使った曲を見直してもいいのではないか。
せっかく、時代の終わりを迎えるのに、自分たちの言葉の曲ではない、「外国の曲」に納得してしまうとは、どういうことなのか。
紅白歌合戦でも、天童よしみが、「川の流れのように」を歌っていたが、トリの和田アキ子の前だった。
美空ひばりが、亡くなってしまった時点で、日本の曲は死んでしまったのか。
「童謡」なんて、もっと見直してもいいと思う。
「七つの子」とか、たまに聞いて、しかも歌詞をじっくりと考えてみると、とても「いいなぁ」という気になる。
「童謡」を知らない日本人は、いないはずはないのだから、もう少し使われてもいいと思うのだけど。
これを読んでいただいている広告代理店の方、いかがですか?
もっとも、これだけのネット時代に、今更、日本語の曲も、外国語の曲もないと思うのだが。
さらに言えば、ビートルズの曲は、もう「日本人の曲」なのでしょう。
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昨年は、宇多田ヒカルが大ブレイクして、800万枚近くのCDを売ったらしいが、以前、新聞記事か、雑誌記事で、ビートルズの「赤盤」は、日本だけで通算1000万枚売っているというのを読んだことがある。
ビートルズ通算では、1億枚を超えているとか。
何しろ、60年代から売り始めて、今でもまだ、定期的に売れているというのだから、やっぱり、ビートルズは、日本を代表するミュージシャンなのでしょう。
だから、紅白歌合戦も、スティービー・ワンダーなんて小物(?)にお願いするのではなくて、やっぱりポール・マッカートニーにお願いするべきだったでしょう。
衛星回線を使って、現地からでも歌ってもらうとか、やれないはずはなかったと思う。
そうすれば、瞬間視聴率は、絶対に80%を超えると思うのだけど・・・。
出演してくれないだろうけどね。
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実は、ビートルズの曲の版権は、ビートルズにはない。
誰あろう、マイケル・ジャクソンが、すべて買い取っている。
スリラーが、世界的にヒットした後に。 ポール・マッカートニーが、「せめて『イエスタディ(Yesterday)』だけでも、自分に欲しい」と言ったのは有名な話。
だから、日本企業は皆、せっせせっせと、ビートルズの曲を使って、マイケル・ジャクソンにお金を払っているんですね。
空しいなあ。
個別商品のCMではなく、ミレニアムを迎えて、サントリーの企業CMといってもよいものに、だ。
思えば、最近、ビートルズの曲が、あまりにも使われすぎている気もする。
イギリスでは、2000年を迎える、1900年代最後の歌として、ビートルズの「愛こそはすべて(All You Need Is Love)」か、ジョン・レノンの「イマジン(Imagine)」の、どっちにするかでもめていたはずだ。
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ビートルズの曲自体は、以前から、CMには使われていたと思う。
私の記憶では、小学生の頃に、三ツ矢サイダーのCMに「シー・ラブズ・ユー(She Loves You)」が使われていたことを覚えている。
すごく格好良かった印象が残っている。
最近のきっかけは、サッポロブロイに、前記の「愛こそはすべて」が使われたことか。
あのCMから、堰を切ったように、ビートルズのミニブームが始まったような気がする。
その後、日産のセレナに「平和を我等に(Give Peace A Chance)」を使っていた(この曲は、厳密には、ジョン・レノンとオノ・ヨーコの曲だが、発表されたのは、たしか1968年くらいだったはず。プラスティック・オノバンドで。でも、ビートルズ在籍時だったということで、強引に入れてしまっています)。
CMだけではない。
今、見ていた日本テレビの「号外大爆笑問題」で、冒頭に流れたのは、「オール・マイ・ラヴィング(All My Loving)」だった。
どうしてこんなに使われるのか。
よほど、日本人のミレニアム気分にマッチしているのだろうか。
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たかが、CMソングである。
しかし、企業は様々なコンセプトを消費者に伝えんとして、CMを制作する。
ましてや、世紀末である。
そこには、自社のイメージを消費者に植え付けたいという目的だけではなく、自分たちも「ひとつの区切りをつけたい」という思惑もあるのではないか。
「1000年代最後の」か、「20世紀最後の」かはわからないが、時代の終末を迎えるにあたって、人間は自分を振り返ることができる曲を求めているのではないか。
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ビートルズのことを、今更ここで論評する必要はないだろう。
単なるミュージシャンとしてだけではなく、20世紀を代表するアーティストとして、音楽の垣根を越えて、芸術の領域で評価されるべき対象である。
1966年の来日時は、日本武道館を貸す、貸さないで、相当もめたそうだが、そんなことも今は昔。
仮に、ポール・マッカートニーが来日して公演するのに、「武道館を貸しません」ということは、絶対にあり得ないだろう(狭すぎて儲からないから、使わないだろうけど)。
それくらい、日本はビートルズを認めた。
そして、今、企業でCMの決定権を持っている人に、「ビートルズって何?」というトンチンカンな人もいないだろう。
仮に、広告代理店やCM制作会社が、「今度の御社のCMでは、曲は、ビートルズの○○を使って・・・」とくれば、企業(クライアント)側も、「おっ、本気だね」と思うはずである。
いちいち説明するまでもなく、瞬間的に周囲を納得させてしまう力。
これが、本当の時代を超えたパワーなのだろう。
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でも、どうして、日本の曲、日本人の曲ではダメなのだろう。
私は、愛国主義者ではないが、もう少し、自分たちの国の言葉を使った曲を見直してもいいのではないか。
せっかく、時代の終わりを迎えるのに、自分たちの言葉の曲ではない、「外国の曲」に納得してしまうとは、どういうことなのか。
紅白歌合戦でも、天童よしみが、「川の流れのように」を歌っていたが、トリの和田アキ子の前だった。
美空ひばりが、亡くなってしまった時点で、日本の曲は死んでしまったのか。
「童謡」なんて、もっと見直してもいいと思う。
「七つの子」とか、たまに聞いて、しかも歌詞をじっくりと考えてみると、とても「いいなぁ」という気になる。
「童謡」を知らない日本人は、いないはずはないのだから、もう少し使われてもいいと思うのだけど。
これを読んでいただいている広告代理店の方、いかがですか?
もっとも、これだけのネット時代に、今更、日本語の曲も、外国語の曲もないと思うのだが。
さらに言えば、ビートルズの曲は、もう「日本人の曲」なのでしょう。
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昨年は、宇多田ヒカルが大ブレイクして、800万枚近くのCDを売ったらしいが、以前、新聞記事か、雑誌記事で、ビートルズの「赤盤」は、日本だけで通算1000万枚売っているというのを読んだことがある。
ビートルズ通算では、1億枚を超えているとか。
何しろ、60年代から売り始めて、今でもまだ、定期的に売れているというのだから、やっぱり、ビートルズは、日本を代表するミュージシャンなのでしょう。
だから、紅白歌合戦も、スティービー・ワンダーなんて小物(?)にお願いするのではなくて、やっぱりポール・マッカートニーにお願いするべきだったでしょう。
衛星回線を使って、現地からでも歌ってもらうとか、やれないはずはなかったと思う。
そうすれば、瞬間視聴率は、絶対に80%を超えると思うのだけど・・・。
出演してくれないだろうけどね。
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実は、ビートルズの曲の版権は、ビートルズにはない。
誰あろう、マイケル・ジャクソンが、すべて買い取っている。
スリラーが、世界的にヒットした後に。 ポール・マッカートニーが、「せめて『イエスタディ(Yesterday)』だけでも、自分に欲しい」と言ったのは有名な話。
だから、日本企業は皆、せっせせっせと、ビートルズの曲を使って、マイケル・ジャクソンにお金を払っているんですね。
空しいなあ。
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