1999年10月26日から2004年10月12日まで続けたマーケティング的コラムをブログとして復活させました。
大昔に会社の部門報に書いた文章も少々。
1.店のこだわりとは
浜松に毎週行くようになって、必然的に外食が増えるようになりました。
渋谷にいる時、昼飯は、事務所でセコセコ作ったりもしていたんですけど、ゴミを出すのがイヤで、外食ばかりに…。
事務所のあたりは、毎週木曜が、「不燃ゴミ」の回収日なんですけど、水・木と泊まりで浜松に行っている身としては、出すに出せなくなってしまいました。
奥様に、朝から、いちいち来てもらうわけにもいかないですしね。
事務所のゴミ出し問題、何とかならないかな~。
ということで、外食の話です。
大学の近所で、この前昼飯を食べたとき、こんな店に入りました。
「五味八珍」という名前の店。
別に、ゴミ出しの話をしたから、「五味八珍」というわけではありません。(^▽^
浜松に本社を置く、中華レストランチェーンです。
沿革を見ると、元は、餃子のテイクアウトからスタートして、その後ラーメン店、中華ファミレスとのし上がってきたようです。
値段も、ランチで税込600円弱からあって、画期的に安い。
いわゆる半ちゃんラーメンで、580円ですからね。
安いです。
まあ、味はそれなりですけど…。
この店のどこがいいかというと、サイトにもある「こだわり」という点です。
「心の木」とかいって、まあCSとしては、いかにもという感じですが、相当徹底しているところが気に入りました。
特に、『お母さんへ』なんて、なかなかできないこと。
店内にあるパネルには、こんな感じの文章がありました。
●食べ盛りのお子さまは、テーブルを汚すものです
●自分たちもそうでした
●お母さんも、ゆっくり食べてください
●お子さまが汚したものは、すべて私達が綺麗にしますので
まあ、客の立場に立ったサービスを考えるのなら、本来アタリマエなのでしょうけど、ここまで言われると、母親としても安心ですね。
結果的には、汚したものを、店員が綺麗にするのは、どこの店でもやっていることのはず。
でも、ここまで宣言している店は、案外少ないのではないですかね。
母親は、子供が、特に小さい男の子だと、はしゃぐだけじゃなくて、テーブル上すべてをグチャグチャにする不安にかられるもの。
客の不安を、事前に取り除いてあげるというのも、重要なサービスなんだなということに、改めて気付きました。
これは、「家族連れ」向けの「こだわり」ですけど、他にレジのところには、「個別の会計も、おかまいなくお申し付けください」みたいなことが貼ってありました。
あれ、むかつくんですよね、「会計は全員分まとめてしろ」みたいなことが書いてある店。
2月に沖縄に行っていた時に、支局の人と、2人で昼飯を食べに入った店で、執拗に「まとめて」にこだわられました。
こっちは、2人なのに…。
特に、「税込表示義務」の前だと、消費税の計算が、それでなくとも大変。
最終的に、「面倒だから、オレが消費税分持つよ」なんて、誰かが言い出さないと、収集がつかなかったりしてね。
それをこの「五味八珍」は、「個別会計全然オッケーですよ」と言っている。
その意気や良しじゃないですか。
この店は、「ファミレス」ですが、土地柄か、平日の昼は、肉体労働系の利用者も多いようで、私がいった時は、店内に3組くらい、その手の方たちがいました。
サラリーマン・OLもそうですけど、肉体労働系の人でも、昼飯は、みんな個別会計ですよね。
至極アタリマエです。
でも、たまにそれを拒否する店も、サラリーマン天国の、東京・新橋あたりですらあったりします。
この「五味八珍」は、そんなちょっとした、たぶん本当にちょっとした「客のむかつくこと」を、一つ一つ解消しようとしている。
個人的に、気に入りました。
店内は、こんな感じでした。
「こだわり」にもあったように、民芸調です。
「ふむふむ…」と思っていたら、唯一気になったのが、これです。
店内に、「こだわりの味」なんて大書したものがあるのに、その「味」を生み出す厨房への入り口に「FACTORY」…。
「こだわりの味を作るのは、やっぱり工場かよっ!」と思ってしまいました。
さっきのサイト中の「こだわり」を見ると、ネームプレートに「心の調理はファクトリー」「心のおもてなしはホール」と書いてあるみたいです。
どうして、素直に「厨房」としなかったのでしょうね。
よく考えたら、中華ファミレスなのに、なぜか民芸調で、そして厨房は「ファクトリー」。
まあ、バラバラといえば、その通りです。
せっかくここまで、いいことにこだわっているんなら、「FACTORY」はやめて欲しいな…。
「厨房でいいじゃん」、そう思います、素直に。
2.客との責任分担
「ご注文は、以上でよろしかったですか?」
最近、あちこちのマーケティングコラムで取り上げられるネタです。
「よろしいですか?」ではなく、「よろしかったですか?」と喋らせるマニュアルへの疑問としてです。
「こんにちは」ですら、未だに許せない私としては、「こりゃもう斎藤孝あたりに、日本全国のファミレスマニュアルを作らせるしかないな」とも思ったり。(^▽^
ファーストフード、ファミレスによる「日本語の空虚化」は、もはや避けられないでしょう。
親が、子供に、きちんと日本語を教えられないのだから、カネを稼ぐ場で習う「マニュアル」が、親代わりとなることは、やむを得ないことかも知れません。
アタマにきますけど。
ただ、日本のフードサービスは、CSを追求する一方で、その反面、客とのトラブルの回避に必死になりすぎのような気がしています。
そもそも、「よろしかったですか?」と、いちいち確認するのも、客側が、オーダーをすべて確認済みであるという保証が欲しいわけです。
それをしないと、「オレは○○を注文したハズだ」とされる。
これを避けたいわけですな店側は。
自らの責任にされるのを回避するために、客にも相応の負担を強いる。
(確認するだけですけど…)
いかにも契約社会っぽい考え方です。
でも、ちょっと寂しいですね。
ビジネス社会で、「いい仕事」をするためには、言った言わないの議論をしている場合ではない。
少しくらい重なり合う「ムダ」な部分があるくらいでちょうどいい。
そのムダも、単なるムダではなくて、ちゃんと責任の裏付けのあるムダでないと、いい仕事にはつながらない。
そう思っています。
「なんだ、オマエこれやってくれていたのかよ」
「うん」
「オレも、やっちゃってたよ」
これでいいじゃないですか。
トヨタ方式もいいけれど、少しくらいののムダがないと、かえって息苦しくなります。
「○○でよろしかったですか」と、今、何気に話している店員が、すべて無責任とは思わないです。
でも、人間、そういう話し方をしていると、いつの間にか、行動が言葉に従ってしまうものです。
サービスの意味を理解しないで、こんな空虚な言葉ばかり使っていると、自己責任を回避する気持ちばかりが、癖になってしまうのではないでしょうか。
たかがアルバイトが、たかがファミレスで行うサービスかもしれないですが、気持ちは、高級ホテルや高級料亭に負けないつもりでいて欲しいものです。
そして、それを伝えるのが、社長や店長の使命だと思うのですが…。
どうでしょう?
「こんな内容の文章で、よろしかったですか?」って、私も書いてみようかな、毎回。
3.大本営発表データか?
日経トレンディ6月号は、「いま売れているものランキング」という特集。
薄型テレビから、ラーメン集合施設、はては駅ナカや、カッコイイ願望という訳の分からないものまでランキングされています。
これを眺めていて、ヘタりました。
最初の「薄型テレビ」の項の見出しは、「売れ筋は液晶32型、プラズマ42型」とあります。
大きな文字でね。
いくつかある表の、最初のものを見ると、たしかに1位「薄型32型(約44万円)」、2位「プラズマ42型(約58万円)」、3位「液晶37型(約68万円)」とある。
「ふーん、やっぱ32型くらいが、一番売れているんだなぁ…」と思って、隣のページを見ると、「地域別薄型テレビの売れ筋サイズ」というランクがある。
「薄型テレビに地域性なんてあるの?」と思いつつ見ると、東京・福岡・札幌のいずれも、1・2位は「液晶13型」「液晶20型」となっている。
「ん?」と思いました。
よく見ると、地域別のランキングは、ヤマダ電機の支店別売上で、冒頭の表は、GfK JAPANという会社のデータでした。
「でも、なんでこんなに違うの…?」と思って、さらによく見たら、冒頭の表はナント「30型以上の薄型テレビの売れ筋」でした。
「!?」ですよ。
この「30型以上売れ筋」の表の横には、「全カラーテレビの売れ筋」の表があって、これを見ると、1位から7位までは、「ブラウン管型」が占めて、8位にようやく、例の「薄型13型」が登場する。
「はは~ん」です。
日経トレンディとしては、今さら「ブラウン管型が堅調な売れ行き」なんて見出しは、間違っても立てられませんね。
それじゃ、この特集の意味がない。
日経グループとして、景気の旗振り役の意味もあるはずですから。
さらに、「薄型13型が売れ筋」とも立てられない。
だって、「13型」って、一般のパソコンのデスクトップモニターより小さいはずですもん。
(デスクトップは、15型くらいがフツーでしょ?)
こんな「セコいサイズを皆さん買ってます」とも、書けませんよ、そりゃ。
そこで、冒頭の「30型以上薄型テレビの売れ筋」という、摩訶不思議な表を作ったのでしょう。
苦肉の策とは、このことですね。
そりゃ、30型以上という「薄型大型テレビ」の売れ筋だけを見れば、「売れ筋は32型」と表現できるわけですから。
一般消費者としては、「薄型テレビも買いたいけれど、まだ早いかな…」と思っている。
でも、マスコミ的には、「アテネも控えて、みんな薄型大型テレビを買ってますよ~」と言いたい。
景気を牽引する身としてはね。
今さら「薄型を買い控えて、ブラウン管を買ってます」じゃ、マイナス要因になってしまいますから。
この日経トレンディの特集、他の記事を見ると、かなり怪しげなランキングも多い。
その商品を売るショップの「聞き取り調査」だったりね。
公式データではないようです。
なかでも、「スポーツ」の項は、見出しが「黄金期知る40代、冷めないラグビー熱」とある。
これ、誰が呼んでも「?」でしょ。
40代が見るスポーツとしては、1位「サッカー」、2位「野球」で、3位が「ラグビー」となっている。
私のような黄金期を知るラグビーマニアでも、ラグビー熱は、かな~り冷めています。
だって、全然面白くないですもん。
国内の試合で盛り上がっても、世界に出たら、グチャグチャに粉砕されますからね。
世界が見えてきたサッカーと大違いです。
「何じゃこりゃ?」と思っていると、これは「スカパーのJSPORTS」の世代別視聴番組から作ったランクでした。
そりゃ当たり前ですよ。
今、ラグビーを見るなら、JSPORTSを契約しなければ、事実上見られないんですから。
私も、ラグビーW杯を見るために、スカパー加入を決断したくらいですからね。
だから、これは「冷めないラグビー熱」なのではなくて、冷め切ったラグビー熱の中で、唯一温かいのは、JSPORTS視聴者だけということ。
逆ですよ、書くべきことが。
「ランキングデータ」って、実はあまりお目にかかることはできません。
業界としても、セブンイレブンのPOSデータのように、販売しているものも多数ありますからね。
この前も、ある出版社の方が、書籍の販売データを持っていたので、見せてもらったら、それは紀伊国屋書店のPOSデータでした。
尋ねてみたら、やっぱり「これ売っているんです」とのこと。
こんな「価値」のあるデータを、編集予算がたいしてない雑誌に見せるはずがない。
雑誌が、いちいちデータを購入するはずないですし。
だから、店頭で、店員などへの「聞き取り調査」で誤魔化したものも多数あるのでしょう。
苦しいですね。
まあ、編集部の苦しい台所事情は分かりますけど、ちょっと今回の特集はいただけないなと思いました。
これじゃ、かつての帝国陸軍大本営発表と、何ら変わらないです。
軍隊に迎合して、大本営発表を繰り返したマスコミの体質は、50年以上経っても、やっぱり変わらないものなんですね。
「都合のいい記事」「売れる記事」が、マスコミでは最優先されるということを、冷静に見つめていなくてはいけません、我々は。
とはいえ、この「戦争」は、「消費戦争」「マーケティング戦争」なので、血が流されることもないので、多少許されますけどね。
でも、この特集に対する、読者の声を、是非とも注視したいものですね。
来月号の「読者から」という投稿欄、注目です。
浜松に毎週行くようになって、必然的に外食が増えるようになりました。
渋谷にいる時、昼飯は、事務所でセコセコ作ったりもしていたんですけど、ゴミを出すのがイヤで、外食ばかりに…。
事務所のあたりは、毎週木曜が、「不燃ゴミ」の回収日なんですけど、水・木と泊まりで浜松に行っている身としては、出すに出せなくなってしまいました。
奥様に、朝から、いちいち来てもらうわけにもいかないですしね。
事務所のゴミ出し問題、何とかならないかな~。
ということで、外食の話です。
大学の近所で、この前昼飯を食べたとき、こんな店に入りました。
「五味八珍」という名前の店。
別に、ゴミ出しの話をしたから、「五味八珍」というわけではありません。(^▽^
浜松に本社を置く、中華レストランチェーンです。
沿革を見ると、元は、餃子のテイクアウトからスタートして、その後ラーメン店、中華ファミレスとのし上がってきたようです。
値段も、ランチで税込600円弱からあって、画期的に安い。
いわゆる半ちゃんラーメンで、580円ですからね。
安いです。
まあ、味はそれなりですけど…。
この店のどこがいいかというと、サイトにもある「こだわり」という点です。
「心の木」とかいって、まあCSとしては、いかにもという感じですが、相当徹底しているところが気に入りました。
特に、『お母さんへ』なんて、なかなかできないこと。
店内にあるパネルには、こんな感じの文章がありました。
●食べ盛りのお子さまは、テーブルを汚すものです
●自分たちもそうでした
●お母さんも、ゆっくり食べてください
●お子さまが汚したものは、すべて私達が綺麗にしますので
まあ、客の立場に立ったサービスを考えるのなら、本来アタリマエなのでしょうけど、ここまで言われると、母親としても安心ですね。
結果的には、汚したものを、店員が綺麗にするのは、どこの店でもやっていることのはず。
でも、ここまで宣言している店は、案外少ないのではないですかね。
母親は、子供が、特に小さい男の子だと、はしゃぐだけじゃなくて、テーブル上すべてをグチャグチャにする不安にかられるもの。
客の不安を、事前に取り除いてあげるというのも、重要なサービスなんだなということに、改めて気付きました。
これは、「家族連れ」向けの「こだわり」ですけど、他にレジのところには、「個別の会計も、おかまいなくお申し付けください」みたいなことが貼ってありました。
あれ、むかつくんですよね、「会計は全員分まとめてしろ」みたいなことが書いてある店。
2月に沖縄に行っていた時に、支局の人と、2人で昼飯を食べに入った店で、執拗に「まとめて」にこだわられました。
こっちは、2人なのに…。
特に、「税込表示義務」の前だと、消費税の計算が、それでなくとも大変。
最終的に、「面倒だから、オレが消費税分持つよ」なんて、誰かが言い出さないと、収集がつかなかったりしてね。
それをこの「五味八珍」は、「個別会計全然オッケーですよ」と言っている。
その意気や良しじゃないですか。
この店は、「ファミレス」ですが、土地柄か、平日の昼は、肉体労働系の利用者も多いようで、私がいった時は、店内に3組くらい、その手の方たちがいました。
サラリーマン・OLもそうですけど、肉体労働系の人でも、昼飯は、みんな個別会計ですよね。
至極アタリマエです。
でも、たまにそれを拒否する店も、サラリーマン天国の、東京・新橋あたりですらあったりします。
この「五味八珍」は、そんなちょっとした、たぶん本当にちょっとした「客のむかつくこと」を、一つ一つ解消しようとしている。
個人的に、気に入りました。

「こだわり」にもあったように、民芸調です。
「ふむふむ…」と思っていたら、唯一気になったのが、これです。

「こだわりの味を作るのは、やっぱり工場かよっ!」と思ってしまいました。
さっきのサイト中の「こだわり」を見ると、ネームプレートに「心の調理はファクトリー」「心のおもてなしはホール」と書いてあるみたいです。
どうして、素直に「厨房」としなかったのでしょうね。
よく考えたら、中華ファミレスなのに、なぜか民芸調で、そして厨房は「ファクトリー」。
まあ、バラバラといえば、その通りです。
せっかくここまで、いいことにこだわっているんなら、「FACTORY」はやめて欲しいな…。
「厨房でいいじゃん」、そう思います、素直に。
2.客との責任分担
「ご注文は、以上でよろしかったですか?」
最近、あちこちのマーケティングコラムで取り上げられるネタです。
「よろしいですか?」ではなく、「よろしかったですか?」と喋らせるマニュアルへの疑問としてです。
「こんにちは」ですら、未だに許せない私としては、「こりゃもう斎藤孝あたりに、日本全国のファミレスマニュアルを作らせるしかないな」とも思ったり。(^▽^
ファーストフード、ファミレスによる「日本語の空虚化」は、もはや避けられないでしょう。
親が、子供に、きちんと日本語を教えられないのだから、カネを稼ぐ場で習う「マニュアル」が、親代わりとなることは、やむを得ないことかも知れません。
アタマにきますけど。
ただ、日本のフードサービスは、CSを追求する一方で、その反面、客とのトラブルの回避に必死になりすぎのような気がしています。
そもそも、「よろしかったですか?」と、いちいち確認するのも、客側が、オーダーをすべて確認済みであるという保証が欲しいわけです。
それをしないと、「オレは○○を注文したハズだ」とされる。
これを避けたいわけですな店側は。
自らの責任にされるのを回避するために、客にも相応の負担を強いる。
(確認するだけですけど…)
いかにも契約社会っぽい考え方です。
でも、ちょっと寂しいですね。
ビジネス社会で、「いい仕事」をするためには、言った言わないの議論をしている場合ではない。
少しくらい重なり合う「ムダ」な部分があるくらいでちょうどいい。
そのムダも、単なるムダではなくて、ちゃんと責任の裏付けのあるムダでないと、いい仕事にはつながらない。
そう思っています。
「なんだ、オマエこれやってくれていたのかよ」
「うん」
「オレも、やっちゃってたよ」
これでいいじゃないですか。
トヨタ方式もいいけれど、少しくらいののムダがないと、かえって息苦しくなります。
「○○でよろしかったですか」と、今、何気に話している店員が、すべて無責任とは思わないです。
でも、人間、そういう話し方をしていると、いつの間にか、行動が言葉に従ってしまうものです。
サービスの意味を理解しないで、こんな空虚な言葉ばかり使っていると、自己責任を回避する気持ちばかりが、癖になってしまうのではないでしょうか。
たかがアルバイトが、たかがファミレスで行うサービスかもしれないですが、気持ちは、高級ホテルや高級料亭に負けないつもりでいて欲しいものです。
そして、それを伝えるのが、社長や店長の使命だと思うのですが…。
どうでしょう?
「こんな内容の文章で、よろしかったですか?」って、私も書いてみようかな、毎回。
3.大本営発表データか?

薄型テレビから、ラーメン集合施設、はては駅ナカや、カッコイイ願望という訳の分からないものまでランキングされています。
これを眺めていて、ヘタりました。

最初の「薄型テレビ」の項の見出しは、「売れ筋は液晶32型、プラズマ42型」とあります。
大きな文字でね。

「ふーん、やっぱ32型くらいが、一番売れているんだなぁ…」と思って、隣のページを見ると、「地域別薄型テレビの売れ筋サイズ」というランクがある。

「薄型テレビに地域性なんてあるの?」と思いつつ見ると、東京・福岡・札幌のいずれも、1・2位は「液晶13型」「液晶20型」となっている。
「ん?」と思いました。
よく見ると、地域別のランキングは、ヤマダ電機の支店別売上で、冒頭の表は、GfK JAPANという会社のデータでした。
「でも、なんでこんなに違うの…?」と思って、さらによく見たら、冒頭の表はナント「30型以上の薄型テレビの売れ筋」でした。

この「30型以上売れ筋」の表の横には、「全カラーテレビの売れ筋」の表があって、これを見ると、1位から7位までは、「ブラウン管型」が占めて、8位にようやく、例の「薄型13型」が登場する。
「はは~ん」です。
日経トレンディとしては、今さら「ブラウン管型が堅調な売れ行き」なんて見出しは、間違っても立てられませんね。
それじゃ、この特集の意味がない。
日経グループとして、景気の旗振り役の意味もあるはずですから。
さらに、「薄型13型が売れ筋」とも立てられない。
だって、「13型」って、一般のパソコンのデスクトップモニターより小さいはずですもん。
(デスクトップは、15型くらいがフツーでしょ?)
こんな「セコいサイズを皆さん買ってます」とも、書けませんよ、そりゃ。
そこで、冒頭の「30型以上薄型テレビの売れ筋」という、摩訶不思議な表を作ったのでしょう。
苦肉の策とは、このことですね。
そりゃ、30型以上という「薄型大型テレビ」の売れ筋だけを見れば、「売れ筋は32型」と表現できるわけですから。
一般消費者としては、「薄型テレビも買いたいけれど、まだ早いかな…」と思っている。
でも、マスコミ的には、「アテネも控えて、みんな薄型大型テレビを買ってますよ~」と言いたい。
景気を牽引する身としてはね。
今さら「薄型を買い控えて、ブラウン管を買ってます」じゃ、マイナス要因になってしまいますから。
この日経トレンディの特集、他の記事を見ると、かなり怪しげなランキングも多い。
その商品を売るショップの「聞き取り調査」だったりね。
公式データではないようです。

これ、誰が呼んでも「?」でしょ。
40代が見るスポーツとしては、1位「サッカー」、2位「野球」で、3位が「ラグビー」となっている。
私のような黄金期を知るラグビーマニアでも、ラグビー熱は、かな~り冷めています。
だって、全然面白くないですもん。
国内の試合で盛り上がっても、世界に出たら、グチャグチャに粉砕されますからね。
世界が見えてきたサッカーと大違いです。

そりゃ当たり前ですよ。
今、ラグビーを見るなら、JSPORTSを契約しなければ、事実上見られないんですから。
私も、ラグビーW杯を見るために、スカパー加入を決断したくらいですからね。
だから、これは「冷めないラグビー熱」なのではなくて、冷め切ったラグビー熱の中で、唯一温かいのは、JSPORTS視聴者だけということ。
逆ですよ、書くべきことが。
「ランキングデータ」って、実はあまりお目にかかることはできません。
業界としても、セブンイレブンのPOSデータのように、販売しているものも多数ありますからね。
この前も、ある出版社の方が、書籍の販売データを持っていたので、見せてもらったら、それは紀伊国屋書店のPOSデータでした。
尋ねてみたら、やっぱり「これ売っているんです」とのこと。
こんな「価値」のあるデータを、編集予算がたいしてない雑誌に見せるはずがない。
雑誌が、いちいちデータを購入するはずないですし。
だから、店頭で、店員などへの「聞き取り調査」で誤魔化したものも多数あるのでしょう。
苦しいですね。
まあ、編集部の苦しい台所事情は分かりますけど、ちょっと今回の特集はいただけないなと思いました。
これじゃ、かつての帝国陸軍大本営発表と、何ら変わらないです。
軍隊に迎合して、大本営発表を繰り返したマスコミの体質は、50年以上経っても、やっぱり変わらないものなんですね。
「都合のいい記事」「売れる記事」が、マスコミでは最優先されるということを、冷静に見つめていなくてはいけません、我々は。
とはいえ、この「戦争」は、「消費戦争」「マーケティング戦争」なので、血が流されることもないので、多少許されますけどね。
でも、この特集に対する、読者の声を、是非とも注視したいものですね。
来月号の「読者から」という投稿欄、注目です。
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