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1999年10月26日から2004年10月12日まで続けたマーケティング的コラムをブログとして復活させました。 大昔に会社の部門報に書いた文章も少々。
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今回は、沖縄特集です。

那覇を中心として、あちこちをレンタカーやタクシーで走り回っています。
時に、最近できたモノレール「ゆいレール」にも乗って。

この「ゆいレール」、今日10日で、開業からちょうど半年です。
そんなこともあって、新聞やテレビで、特集が組まれています。




これは、偶然見ていたTBS系の局のニュース。
簡潔に問題点を書き出しますと…

●開業当初は、1日平均4万6千人だった。
●今は、採算ラインを割り、2万7千人。
●道路の渋滞解消を目的にしたが、実感が感じられない。
●かえって混んでいるエリアもある。
●実は400億円もかけて作っている。

ということです。

沖縄には、もちろんこれまで鉄道がありませんでした。
だから、クルマ社会。
国道が5車線のところも多くて、道が空いている時なら、本当にラクです。
もっとも、この国道の広さは、県民のためというより、おそらくは米軍の戦車などを通らせるために、広くされたと思うんですけどね。

先週の新聞にも、飲酒運転厳罰化により、全国では検挙件数が減ったのに、唯一沖縄県では、件数が増加したとありました。
「クルマを乗れなくしてどうするんだ」「検挙するならしてみろ」のような、逆ギレ的な県民のコメントも載っていました。
飲み会にまで、クルマでいくのは、もはや許されませんが、問題なのは、ちょっとしたお出かけにも、クルマを使ってしまうこと。
先のニュースでも、モノレール会社の社長が、トップ営業をして、説得しているのですけど、いかんせん「生活習慣病」は、そう簡単に治らないみたいです。

那覇の国際通り近くの飲食店に、「これであなたもウチナー(沖縄人)50箇条」が書いてありました。
その中に、「3分以上歩かない」というものがあるんですね。

これは、ウチナーが怠惰だから…ということではなく、もちろん「夏の暑さ」のためでしょう。
4月に入れば、泳げるところがほとんどの亜熱帯地域では、闇雲に歩くことは、熱射病にもつながるはずですから。
だから、クルマが日常的に使われるようになって、ウチナーは、「こりゃ便利」と、せっせと使ったのでしょう。

ただ、クルマ社会は、鉄道の通らない地域では、当たり前の習慣。
むしろ「電車に乗る習慣」がついている人の方が、全国から見ると、珍しいのかも知れません。
もちろん、日頃「電車」に乗り慣れている私としては、せっせと「ゆいレール」に乗っているわけですが、そこで思うことがいくつかありました。

1つは、中途半端な計画のためか、昼間だと、駅で10分ほど待つことがあること。
「3分以上歩かない」と豪語している人々に、「10分待て」というのは、そもそも無理があったのでは。
現実的な採算の話ではなく、ウチナーの「生活習慣」から、モノレールの乗車予測をはじき出すべきだったのでしょう。

採算が合うのか分かりませんが、「どんなに待っても5分に1本」と、山手線並みの本数にしてみたら、「たしかに便利だ」という口コミも広がるかも知れません。
今の、「10分待ち」は、悪循環の典型でしょう。
「弱気な採算予測」が、「負け組スパイラル」をもたらしてしまったのはないでしょうか。

2つめは、モノレールであるための理由です。
「ゆいレール」の駅は、高架となっています。
この駅のホームまで上がるエスカレータやエレベータが、また中途半端なんですね。
駅は、おおむね地上3階の高さにある。
そこまで、上っていくのに、どこかで必ず1階分を、歩いて上がることになる。
いや、それはまだいい。
それよりも問題なのは、「下りのエスカレータ」が、全くないことでしょう。

私も、空港から荷物を抱えて降りるのに、かなり苦労しました。
私のような人間なら、まだいいですけど、高齢者にとって、実は「下り階段」は「恐怖の階段」。
上りよりも、よっぽど危険性が高いです。
「日本一の長寿県」を標榜するのなら、もっと高齢者にやさしい仕様にすべきです。
クルマを運転することができないのは、高齢者が圧倒的に多いはずですしね。

3つめは、駅のホームが、かなり寒いこと。
ホームから、外の風景を見渡せるのはいいのですけど、これが風ビュービュー状態。
モノレールを待つだけでもイライラしているのに…。
この時期の沖縄は、かなり風が強いんですね。
だから、皆さん、風を逃れるために、階段の途中で待っていたりします。

ホームに、風よけシェルターをつけることは、できなかったのでしょうか。
東京の「ゆりかもめ」のホームには、透明パネルの「壁」のようなものがあって、それが結果的に風よけにもなっています。
「ゆいレール」にも、転落防止用の柵はある。
だったら、この柵を、あと1m少し、上に伸ばせばよかったのに。
それだけでも、随分と違うはずです。
何しろ、この時期、風に乗って、雨まで吹き付けてくるんですからね。
400億円もかけたのなら、このくらいの投資は、たいして変わらなかったと思います。

このような、ウチナーがイヤがるようなことが数多くあるのに、「モノレールに乗りましょう」というのも無理な話。
「生活習慣」を変えるには、じっくり時間をかけるしかないのですからねぇ。

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「クルマ」という生活習慣は、なかなか変えられないみたいですが、こっちはドンドン変わっています。
「ゆいレール」から見た街並みです。




「マクドナルド」くらいは、十分理解できます。
米軍基地がありますものね。
「牛角」も、元々肉が安かった沖縄としては、進出もむべなるかなという感じ。
しかし、これはどうでしょう?

電信柱の陰に隠れてしまっていますが、「喜多方ラーメン」です。
しかも、私が渋谷でよく食べる「小法師」のチェーン。
沖縄の麺といえば、「沖縄ソバ」に「ソーキソバ」。
「沖縄人だから、麺なら地元のソバを食べなさいよ」というのは、東京に住むものの身勝手なのでしょうけど、どこか寂しくなりませんか?
「沖縄って、何?」、そう感じずにいられません…。

別な意味の風景が、那覇郊外にも見られます。
 



那覇の市街地から、少し離れたところ、「天久(あめく)」という地域にある「楽市」というショッピングセンターです。
「りうぼう」という地元のSMを中心としながら、本土の企業もあれこれ誘致している。
「マクドナルド」「ユニクロ」「無印良品」、そして「ベスト電器」。
この光景を見ると、那覇市郊外というより、神奈川県民としては「ここは港北ニュータウン?」と思ってしまいます。

そして、那覇の奇跡の1マイル「国際通り」には、色々な店がある。
マックは、もちろん当然。
スタバ、ドトールなどのコーヒーショップとともに、こんな店も。

去年5月に出来ていたみたいです。
オープン当時は、もちろん知る由もありませんが、今はガラガラでした。
沖縄で最も寒い時期に、うどん店が繁盛しないとは…。
皆さん、夏に「冷やのぶっかけ」でも食べるんでしょうか?
沖縄ソバに「冷や」は見かけないですもんね。

ウチナーでも、こういう自分にメリットが大きいところは、どんどん変えてしまうんです。
モノレールには、乗ろうとはしないのに…。

沖縄だから、ユニクロはいらない。
沖縄だから、無印良品はおかしい。
ウチナーは、スタバでコーヒーを飲むのはおかしい。
ウチナーは、讃岐うどんを食べるのはおかしい。

こういう意見がおかしいのは分かる。
でも、「地域性」とは何でしょう。
コレは何も、沖縄1県の問題ではなくて、日本中あちこちの街で、今「らしさ」が破壊されているはずです。

フランチャイズの弊害だと思っています。
フランチャイザー側は、直営店よりも、安いコストで出店できる。
フランチャイジー側も、無理なく良質な店舗経営(?)を導入できる。
フランチャイズの安易な相思相愛が、日本の地域性を喪失させている気がします。
(注:ゲオは直営店のみです)

神奈川県の街並みが、品のないものになっても、私はかまわない。
東京も、どうなってもいい。
埼玉、千葉もね。
もう手遅れの街ですし。

でも、沖縄は、ちょっと待ってと思う。
こんな品のない街並みを作っては、ダメだと思う。
だって、結局「観光立県」なのではないの?
「観光」をコアコンピタンスにする県が、こんな「東京まがいの街」を作り上げていいのでしょうか。

那覇空港には、全国各地からの直行便が出来ている。
東京、大阪だけではなく、福島、小松、岡山、松山、高知からも来ている。
みんな、「似非東京」をわざわざ見るために、全国各地から、那覇を訪れるのでしょうか?
違いますよね。
リゾート地である「沖縄」を楽しむために、来ているんですよね。

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変わるべきところで変わらずに、変わって欲しくないところを変えてしまう沖縄。
このまま進んでいったら、誰も沖縄に来たくなくなってしまうような気がします。
何が沖縄のアイデンティティなのか、今一度考えるべきなのではないでしょうか。
そして、それは早くしないといけない。

のんびりしていられないんです。
フランチャイズを上回るスピードで、お役所が考えなくてはならないんです。
できるのでしょうか…?
ちょっと、暗雲がたれ込めてきますね。


 
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