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1999年10月26日から2004年10月12日まで続けたマーケティング的コラムをブログとして復活させました。 大昔に会社の部門報に書いた文章も少々。
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今年も残すところ、あと2日。
色々なことがありました…。
年頭のことは、もう思い出せないけれど、イラクで戦争があったり、相変わらずの北朝鮮報道があったり…。

そんな中、私が今年、確実に一つ利口になったことといえば、「ヤツを穴蔵からとっ捕まえた」と報告したい時には、「We take him out of hole」なんて、ややこしいことではなく、「We got him!」でよいってことでしょうか。
ホントに、翻訳のテストに出そうな問題ですねぇ。

さて、先週に続いて、「とみざわ流ヒット商品考察」、いよいよベスト10を振り返っていきましょう。
(先週と同じく、日経トレンディ12月号を元ネタとしております)

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第10位『ドリエル』

快調に飛ばしていこうかと思ったら、私が全く知らない商品「ドリエル」から。
これは、不眠症の方向けのお薬。
エスエス製薬の製品です。
「処方箋ナシで買える」というところが、ヒットの理由なんですね。

私は、不眠で悩んだことはないので分かりませんが、「成人の2割は悩んだ経験を持つ」そう。
まあ、私も、ゴルフの前夜にコーフンしちゃって眠れないことはよくありますけど、あれも薬を飲まなければならない不眠に入るのでしょうか。(^-^;)

この薬は、通常の睡眠薬の10倍の売れ行きといいますから、世の中には、悩まれている方も多いようです。
ただ、どうなんでしょうね。
西洋医学に対して、ますます不信が高まってきたのも、今年の特徴。
西洋医学というよりも、それに関わる人間に対しての不信かもしれませんが。
何でもかんでも、クスリを飲めばいいという思い込みは、少し考え直した方がいいように思っています。



第9位『都市型温泉テーマパーク』

日経トレンディには、「豊島園庭の湯」なんてのも載っていますが、これは東京ドームの「ラクーア」と、お台場にできた「大江戸温泉物語」でしょう。
どれも行ったことがないし、たぶん当分は行くことはないと思うのですが、このランクを見ると、やっぱり「温泉」に対する日本人の想いは、まだまだ強いようです。

どちらも、「女性を意識した」という点が、流行った要因といえるでしょう。
でも、この手の施設って、飽きられるのも早いんですよね。
その最たる問題は、施設の老朽化。
いや、老朽化というよりも、具体的には「汚れ」でしょうか。

あちこちの温泉に行って、どんなに素晴らしい名湯でも、脱衣所や、その他のアメニティが、汚いと興醒めしますね。
それこそ、ライオンのCMに出てきそうな「黒カビ」とか…。

ラクーアも、大江戸温泉も、この対策だけはしっかりと取らないと。
飲食や、その他付帯施設の充実にばかり気を取られないようにしないと、イカンですね。
その辺を観察しに、今度行ってみるかなぁ~。



第8位『クーリッシュ』

これは、私も食べました。
子供に「おいしいよ」って言われて、ある土曜日、スポーツ新聞を買いに行ったついでに買いました。

食べたら、たしかにおいしい。
それに、食感が新鮮。
生産が追いつかず、販売中止になったのもうなづけます。
だって、私が食べたのは、「秋」でしたから。

この容器は「チアパック」(口栓付きパウチ容器)というんですね。
「ウイダーインゼリー」の容器といえば、分かり易いでしょう。
この容器形態も、ヒットを下支えしたのは間違いない。
食べやすいですもんね。
場所を問わないし。

さて、他社が来年、この分野に追随してくるのか?
それには、この「チアパック」を生産している会社が、ロッテ以外にも容器を、アイス用として供給するかどうかということ。
ロッテが、それを許しますかね…。

それとも、ロッテがアイス用の用途として使う分の、すべてを抑える契約でも結んでいるのか?
はたまた「アイス」ということで、特許で押さえることができているのか?
「チアパック入りアイス」というマーケットが拡大するのかという点でも、来年が楽しみな商品です。



第7位『プリウス』

また「プリウス」かよ…、と言いたくもなりますが、今回は、「2リッター車並み」になったことが画期的。
過去のプリウスは、「ヴィッツ」の変型って感じですからね。
あれじゃ、需要に限界があります。

排気量が1500ccで、2000cc並みの加速。
それで、燃費が35キロ/リットルというんだから、話題性は十分でしょう。

11月になって、車種別販売ランキングでは、19位となっています。
さて、どこまで伸びるのか?
はたまた、需要はアッという間に一巡してしまったのか?

私としては、もう少しスタイリングを、カッチョ良くして欲しいんですけどね…。
例えば、「トヨタ2000GT」のボディに乗っけちゃうとか…。
スタイリングで心躍らせてくれないと、カーマニアは踊らないと思いますが、いかがでしょう。



第6位『DIGA』

続いては、松下久々のヒット商品(といってもよいでしょう)「DIGA」です。
DVDレコーダーという言い方をされていますが、「HDレコーダー」ですよね。
いちいちDVDにまで変換している人は、どれだけいるのでしょうか。

この商品にかける松下の様子は、NHKでも取り上げられるほどでしたから、絶対に失敗は許されなかった。
先行するパイオニアなどを追撃して、ソニーがもたついているところを、うまくプロモーションして、5割のシェアを確保できました。

DIGAのプロモーションでラッキーだったのは、ソニーのもたつきだけでなく、ボブ・サップ人気が凋落する直前、ギリギリ間に合ったということもあるでしょう。
今年の3月は、サップがフラフラになり始めた時期。
タレント生命は、格闘技マニアとしては、すでに危なかったのですが、一般の知名度では、まだ余力があったということでしょう。

とはいえ、サップ人気も、もはや風前の灯火。
明日、大晦日の「横綱曙」との試合に、惨敗するようだと、その灯火は消えてしまいますから、松下サイドも気が気ではないはず。
明日の結果によって、来期のプロモーションは、大きく変わりそうです。
ソニーの「スゴ録」も出てきたしね。
リング上だけでなく、家電品売場でも激闘は続きます。



第5位『踊る大捜査線2』

本当のタイトルは、長いので略しました。(--;)
松下のDIGAが、失敗を許されない商品だったとすれば、「踊る大捜査線」は、「絶対に成功させたかった映画」。
フジテレビのマーケティング力を、すべて結集したようなプロモーションを仕掛けて、それが見事にはまり、日本の実写映画の頂点に立ちました。

まあ、ここまで計画的にやって、ちゃんとヒットするなら、関係者も嬉しいでしょう。
でも、私が思うのは、興行収入が、それでもまだ「ハリー・ポッター」と同じくらいで、「もののけ姫」にも及ばない。
「タイタニック」や「千と千尋」は、さらに遙か彼方の数字。

「マーケティングの限界」って、このくらいなのでしょうか?
「プロモーションの限界」って、このくらいなのでしょうか?
やっぱり、「仕掛け」だけではなく、何か人の心を躍らせる「ムーブメント」みたいなものが起きないと、超大ヒットには結びつかないのでしょうね。

企業の力だけで、人の心を動かす限界点。
「踊る大捜査線2」は、それを知らしめてくれたような気がします。

ところで、これ、いつテレビでやってくれるの?
早く見たいんだけど、オレ…。
という私のような輩の心を動かすマーケティング手法って、ホントにあるの?



第4位『六本木ヒルズ』

六本木ヒルズには、私も2回、オープン前日と、数ヶ月してから行きましたので、よく分かります。
ただ、2ヶ月で1千万人が来たといわれても、ちょっと実感が湧きません。
東京ドームコンサート、200回分の人?
でも、タトゥーのコンサートだったら、1000回だね。(^▽^ハハハ

よく考えたら「六本木ヒルズ」は、「森ビル的に失敗が許されない企画」でした。
まあ、世の中に「失敗が許される企画」なんて、そもそもないんですけどね。
でも、実は意外とあったりもするんですけど。(--;)

「踊る大捜査線」は、所詮は「流行映画」。
ブームは、必ずいつか去ります。
仮にヒットしなかったとしても、赤字もたかが知れているだろうし、企画的には、次にまた何か考えればいい。

「DIGA」も、たとえロングセラーになっても、いつかは商品としての生命は終わる。
その時は、「次の商品」を出せばいい。
そして、ダメだとしても、松下には、まだ他の分野の商品を出す体力はある(はず)。

そういう意味では、まだ楽なのかも知れません。
だって、「六本木ヒルズ」が失敗しちゃったら、取り壊すなんてわけには、そう簡単にいかないじゃないですか。

今のところ順調のようですが、私が気になるのは、「人も住んでいるところ」のはずなのに、どこかよそよそしい街であること。
あんな超高層マンションを建てて、今さら「下町」でもないだろうけど、街には「猥雑さ」が欲しいですよね。

そして、猥雑さとは、誰かが人工的に作り出すものではなく、自然とにじみ出てくるもの。
そういう意味の「猥雑さ」が、六本木ヒルズにはないと思いました。
すべてが完璧に計算されすぎて、息苦しいという感じでね。

もっとも、街が息苦しくなってきているのは、何も六本木だけではないですけどね。



第3位『日清具多Goota』

これ、こんなに売れていたんですね。
何しろ、発売1年足らずで、売上が160億円です。
「踊る大捜査線」の興収と同じではないですか。

売れている噂を聞いて、どんなものかと思って食べたんですけど、私としては「面倒くさい」。
たしかに、量も多くて、具もおいしくていいんだけど、マジメに作るには、スープを温めたり、具も温めたりしないといけない。
それなら、袋麺を作ります、私なら。(--;)

日清の談話によれば、「カップヌードルでは足りないと、おにぎり等を追加する需要に応えた」とありますけど、私なら、カップヌードルに、おにぎりの方が、満足感は高いけどなぁ…。

ラーメンブームが、ブームの域を超えて、もはや一つの大きなマーケットになってしまいました。
何しろ「ファンド」までできるくらいですからね。
巷のラーメンファンの舌は、どんどん肥える一方で、「Goota」もその流れに乗っかっただけではないでしょうか…。
来年秋頃には、すっかり消えていそうな気がしています。

ただ、日清も、その辺りの覚悟は、とっくの昔にできていることでしょうがね。
ラーメンは、そんなラクな市場ではないと、世界で一番知っている企業のはずですから。



第2位『ヘルシア緑茶』

自他共に認める、日本一のマーケティング企業「花王」。
その花王が、ついに飲料マーケットに参入。
その点では、「ヘルシア」もまた、別な意味で「絶対に失敗が許されない商品」でした。
「エコナマヨネーズ」が、キユーピーの牙城を崩しきれないようですから、花王としても、「2連敗」はまずい。

製品開発の過程は、日経ビジネスに詳しく取り上げられていましたが、あの「苦さ」も、完璧に計算された上でのこと。
きっと苦みが、少し弱いだけで、売れ行きは全然違ったのでしょう。

日経トレンディには、「体脂肪を気にする中年が飛びついた」とありますが、それだけでしょうか。
私は、「若者も買った」ことが、大ヒットの最大要因だと思っています。

ターゲットがいて、そこにうまくハマるのは、普通のヒット商品。
ターゲット以外が、つい心を動かされてしまうのが、大ヒット商品です。
「千と千尋」だって、子供やジブリヲタだけが見に行ったのなら、あんなヒットにはならないでしょう。
「宮崎駿の映画なんて、初めて見た」という人まで見たから、あそこまでの大ブームとなったのです。

伊藤園も似たような商品を出してきたから、この市場が出来上がったことは間違いない。
問題は、来年以降、どうなるのか?
当分は、伊藤園との2強時代となるのか。
それとも、花王が「健康緑茶」の市場を押さえてしまうのか。

どちらの会社も営業力には、相当な自信があるはず。
どんな大戦争が巻き起こされるのか、売場を見るのが楽しみですなぁ。



第1位『阪神タイガース』

まったく、我がベイスターズときたら、よもや、あの究極の最下位と思われた前年を、さらに下回る成績に終わるとは…。
それもこれも、すべてタイガースのせいやでぇ。(--;)

なんてグチも、横浜港の藻屑と消えそうなくらい、今年の阪神は凄かったです。

ここまで「ヒット」したのは、「リバイバル+虎ファンの積年の恨み辛み×今年くらいはまあいいかという一般の許容感」という計算式が成り立ちましょうか。
この「一般の許容感」というのが大事ですね。
ヘルシアを飲んだ若者みたいな感じです。
これにさらに、汚物ウヨウヨの道頓堀に、バシャバシャ飛び込む、阿呆な若造達まで加わったのだから、ヒット番付第1位にランクされるのも、むべなるかなです。

もっとも、この大ヒット商品。
98年には「横浜」がヒット商品にランクされたこともあるように、来年もヒットする保証はどこにもありません。
というより、プロ野球チームが、2年続けてヒットコンテンツとなることなど、ほぼありえない。

それを考えれば、あっさり退いた星野監督は、本当にアタマがいい。
監督を辞めることによって、彼は、来年も「ヒット商品」であり続けることができるのですから。
見た目の引き際のよさといい、球界のみならず、ビジネス社会での彼の地位も、相当盤石なものとなりました。
健康問題も引き金となったようですが、今年「最高の選択」をしたのは、間違いなく星野仙一でしょう。

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さて、今年も、このようなコラムにおつきあいいただきまして、ありがとうございました。
こんなおバカなコラムを書いていられるのも、すべて、日本が平和であるからこそ。
今のイラクや北朝鮮で、「ヒット商品番付」なんて、できない話ですもんねぇ…。

今の日本が、先達の哀しみの上に成り立っていることを、改めて肝に銘じて、今年のコラムを終わりたいと思います。
それでは皆さん、よいお年を…。

“No Peace, No Marketing”


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