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1999年10月26日から2004年10月12日まで続けたマーケティング的コラムをブログとして復活させました。 大昔に会社の部門報に書いた文章も少々。
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インターネット関係の業界、IT業界では、すでに景気は回復しているといってよいだろう。
ネット関係の新興企業に対する注目度の高さが、マザーズへの上場など、具体的でかつ様々なかたちで現れている。

ネットバブル」などともいわれ、関係企業の株価の高さについて、疑問を呈する向きもある。
しかし、この「バブル」、以前の「バブル」とは明らかに違うと思うのである。




1980年代後半の「不動産」「株」を中心としたバブルの頃も、確かに慌ただしく仕事をしていた。
しかし、夜10時過ぎまで仕事をしていても、それから飲みに行くなんてことも、日常的にやっていた。
今考えれば、「結構余裕があった」というか、「金を無駄遣いすることを楽しんでいた」ような気もする。

では、今儲かっているように見られているネット業界の会社の従業員は、そんな「余裕」はあるだろうか。
私は、正直言って、「全くない」と思う。

おそらく、大半の会社が、残業は当たり前として、深夜残業、休日出勤が日常化していることと思う。
もっとも、上場益で莫大な利益が転がり込む可能性がある人に、こんな「時給の感覚」があるとも思えないが、いずれにしても、無茶苦茶に働いていることだろう。




そう、確かに莫大な利益は転がり込む可能性はある。
しかし、かつてのバブルと、今回のネットバブルの最大の違いは、今回のバブルが、「研ぎ澄まされたバブル(?)」であることだ。
無駄が排除されたバブル」とも言える。

かつてのバブルは、仕事の量が多くなっていたことも確かだが、今よりも随分と無駄も多かったと思う。
何しろ、仕事がろくにできもしないのに、仕事を右から左へと流すだけで儲けていた人も多かった。
単に、そこにいただけで儲かったのである。

今回のバブルはきつい。
何しろ、まず「人手が足りない」。
ネットの技術を熟知している人も少なければ、新しく開発されたビジネスモデルに則った業務であれば、なおさら「省力化」が計られているから、「そもそも人がいらない」。
だから、そこにいる少数の人に、大変なしわ寄せがきている。




だから、今、「お宅は景気がいいでしょう」と言われるような会社に勤めている人は、「確かに景気はいいが、遊ぶ時間などどこにもない」というのが事実ではないか。
これは、どういうことになるのか。

わかりやすく言えば、「周辺への波及効果が少ない」ということだろう。
ヤフー族やらが、代官山のマンションを買ったとか、六本木で遊んでいるという話はあるが、それは上場益を享受できた、「卒業組」の話。

「飲屋街」は、そんなに景気がよくなっていないはずである。飲みに行く時間のある人は、中途半端に儲かっている人だけである。
「タクシー業界」は、深夜勤務が多くなるから、意外といいかも知れない。ただ、前述のように、「忙しい人の絶対数が少ない」から、そんなに儲かるわけではない。




ネットバブル。
バブルとは、浮ついた人の気持ちのこと。
マスコミは、上っ面の儲け話みたいなことばかり取り上げるが、その真実は、浮かれた気持ちなど持っている人は、どこにもいないはずである。
そんな気持ちでいると、間違いなく、インターネット財閥にしてやられてしまうだけである。

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