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1999年10月26日から2004年10月12日まで続けたマーケティング的コラムをブログとして復活させました。 大昔に会社の部門報に書いた文章も少々。
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ちょっと前ですが、この春発売されたサントリーの「熟茶」に、右図のようなポジショニングマップがついておりました。



作るの結構面倒くさかった・・・



この図は、サントリーのホームページを元に書いたのですが(著作権の問題はこれなら大丈夫でしょうか?)、競合社名は隠されております。
極めてわかりやすいマップですが、念のため商品名は・・・・、「I社=伊藤園お~いお茶」「K社=キリン生茶」「A社=アサヒ飲料十六茶」「C社=コカコーラ爽健美茶」ですね。

昨年の、キリン「生茶」の大ヒット以来、無糖茶市場が急拡大しているようで、サントリーとしても、(おそらく)「ウーロン茶」がかなり食われたのでしょう。
そこで、(おそらく調査をして)このようなポジショニングマップを作成して、「マップ上の左上に位置する商品はできないのか?」ということになったのでしょう。

でも、熟茶はあまり売れていないみたいですね。(^-^;)
いや、今回は、熟茶のマーケティングの是非を問うのではなく、このようなポジショニングマップによるマーケティングが、「もはや限界に来ているのではないか」ということを考えてみたいと思います。

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だから心して見てくださいよ~(^-^;)



実は、サントリーのホームページを見ると、熟茶のこのマップになる前に、左のようなマップも描かれています。
マップというよりも、一次元の世界で表現されています。

ホームページによれば、無糖茶市場は、右のようなマップから、上記のようなポジショニングマップへと変化しますということなのでしょう。
皆さんは、お茶関係の飲み物を、上のようなマップで考えたことはありますか?
私はありません、一度も。

私の場合、例えば、こういうお茶(無糖茶)を買おうと思ったら、「旨みの有無」と「渋みの大小」で選ぶのではなく、そもそも「緑茶vs烏龍茶vsブレンド茶」あたりを考えるのが1次予選
で、仮に「緑茶」と決めたら、これはもう今であれば「伊藤園vsキリン生茶」の一騎打ち。ここでもう決勝戦です。こんな感じではないですか?
二次元的といえば、そうなのかも知れませんが、「決勝戦」の段階では、すでに「ブレンド茶」や「ウーロン茶」は落選してますので、マップとは考えにくい。先のマップのような感じで、いきなり商品にたどり着くということは、おそらくないのでは、と思います。

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「一人勝ち」もしくは「二人勝ち(?)」と言われる状況が、あらゆるマーケットで発生する中、もはやポジショニングマップでマーケットを語ること自体が、無理だと思うんです。
商品が、1つしか、2つしかない(というか目に入らない)のに、マッピングも何もないでしょう?

その理由は、2つあると思っています。

まず1つは、もちろんコンビニの「棚割り」の責任
そう、「消費者から商品を選択する喜びを奪い取った」のは、間違いなくコンビニだと思います。
商品選択行動(意識)が、「ありえない」というよりも、最近のコンビニの棚割り自体が、「売れ筋商品しか置いてくれない」じゃないですか。だから、自ずと「売れ筋商品」からしか商品を選べない。
選べないから、消費者も選ぶこともしなくなる。もう完全にコンビニ主導のマーケティングですね。
市販の緑茶製品だって、2社の商品だけではなくって、もう少し置いてくれてもいいですよね。まあありえませんけど。

もう1つが、インターネットによる「情報の氾濫」
最近では、何かモノを買おうと思ったときに、ネットで調べれば、だいたいそれを買った人の感想や意見、不満などが書いてあります。
そう、クルマをはじめとする高価なモノを使ってみての感想サイトだけではなく、それこそ「飲み物」だってありました。
それこそ「空き缶」でさえも・・・(私も、だいぶ参考にさせていただきました)。
だから、「買っていいものかどうかの判断」が、以前よりもとてもしやすくなっているのでしょう。

こいつはエクセルでちょちょいのちょいだ~雑誌に出ている情報は、「鮮度」はありますが、その「真実性」には限界があります。やっぱり「生の声」にはかなわないでしょう。
おそらく、3年以上前、要するにインターネットがここまで普及する前は、「購入前の事前知識」が今とは比べモノにならないくらい少なかったのではないでしょうか。自分でもあまり自覚できませんが。
「事前情報」が氾濫するから、より正確な情報に基づいて商品も購入できる。
だから、売れる商品、売れない商品がはっきりと分かれてしまう。要するに、「一人勝ち」になって当たり前なんです。

で、結局、少し前の商品市場と現在では、右の2つの図のように変化しているのではないかと思います。
だいたいのマーケットが1商品か、2商品くらいしか売れていず、その他は、ほぼ討ち死に状態・・・こいつも楽勝だぜ
「だいたいのマーケット」というとかなり語弊があると思います。でも、その商品マーケットが成熟してくると、寡占化が始まってくるものですが、その成熟のスピードが「コンビニ」と「インターネット」によって、加速されている。そんな感じです。

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ある商品マーケットを考えるときに、マップで考えるよりも、こんな時代になっているのだから、ますます「なんでトップ商品(およびセカンド商品)が売れているのか」を考えないと。

マップにしてしまうと、「隙間」が見えたりして、「なんだまだ市場はココにあるじゃないか!」という風に見えてしまいがちです。
そうではなくて、もっと基本的な視点で分析を進めた方がいいような気がしています。

資料が全くないまま、だらだらと書いてしまいましたので、かなり根拠レスな内容ですが、雰囲気はおわかりいただけましたでしょうか?
もうちょっと資料を確認して、再度同じネタでトライしてみます。
乞うご期待!

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