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1999年10月26日から2004年10月12日まで続けたマーケティング的コラムをブログとして復活させました。 大昔に会社の部門報に書いた文章も少々。
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もう20分足らずで、豚丼を2杯食べるようなマネはしません。<(_ _)>
あれ以来、腹の調子が芳しくないし、だいたい胃が拡がってしまったせいか、腹が減ってしょうがないっす。
ということで、今週から、胃を小さくする週間とさせていただきます。

胃が拡がったことに気づいたのは、何あろう、スーツを買いに行って、ズボンを履いた瞬間でした。
「ん? ちょっと待てよ…」
去年から地道に減らしてきたウエストのはずなのに、「ちとキツイな…」と。

で、今日の本題は、私のダイエット日記ではなく、そうユビキタス放浪記でも、少し取り上げた「スーツ」です。

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まあそういうわけで、ウエストもいちおうすっきりしてきたので、サイズの合うスーツがなかったんですね。
一貫性のない身体をしていると、着る服に困るんですよね。
サイズがバラバラで、数はあるのに、実際着られる服は少ない…。
タンスの肥やしとなっている服の、何と多いことか。

でも、ようやく体重も下げ止まり感が見えてきて、それで、久々に買おうではないかと。
ちょうど4月から大学の先生にもなるし、「ここらで一張羅を買うか」と思い立って、近所のヨーカ堂へ行きました。

「吊るし」のものは、今ひとつなんですよね。
この時期「リクルートフェア」と「新入社員フェア」みたいなのが混在しているようで、どこもかしこも、おとなしめの「紺」と「グレー」ばかり。

私としては、「黒」が欲しいんですよ、「黒」。
それも「ストライプの黒」が。
「真っ黒」って、意外と少ないんですよね、スーツでは。
礼服になっちゃうから。
茶色は、ままあるんですけどね。

で、あれこれ探していると、「おー、いい色があるじゃん」と発見。
でも、それは「マイスーツ5日間仕立て」とある。
一瞬、「5日間もかかるの…」と思いつつ、そんなに急いでもいないから、「ちょっと試着してみよう」と。

コラム155号(03年9月9日号)で、「紳士服のコナカで裾上げ10日間はけしからん!」ということを書きました。
これは「たかが裾上げに10日間」ということが問題でした。
今回は、「セミオーダーメイド」という感じでしょうか。
いちおう吊してある服を着て、そこからサイズを微妙に調整していくもの。
「サイドベント」とか、色々できるみたいです。

着てみたら、上のサイズがキツイ。
いちおう、この1年間で、スーツのサイズがAB6から、A6になったんですね。(^-^;)
分かりやすくいえば、「スリム」になったと。
この「スリム」の部分、HTMLで誇大表現したいところなんですけどね、しません。

とはいえ、私の身長が177センチという、超ビミョーな高さ。
A6だと175センチ、A7だと180センチなんですな。
これが問題なんです。

だいたい、この5センチ刻みの設定が気に入らない。
日本のビジネスマンの身長も、おそらく170センチくらいを中心に「正規分布」しているはずでしょう。
だから160センチ以下や、180センチ以上なら、5センチ刻みでもいいと思う。
このくらいの身長の方は、おそらく必ずや微調整がいるのでしょうから。

でも、160~180センチの間は、もう少し微妙な刻み方があってもいいのではないでしょうかね。
3センチ刻みにするとか。
で、170センチ台の、正規分布のピーク前後は、できれば2センチ刻みにしてもらうとか…。

当然コスト高にはなりますが…。
イオンあたりなら、やってくれそうな気もしますが。
いや、まさか既にやっている?
近所にないんですよね、イオングループは。

閑話休題。
A7だと確かにデカすぎで、A6だと小さい。
ということで、ついてくれた女性店員が、「じゃ、上着だけ、AB6にしましょうか」となりました。
着てみると、これまたほんのビミョーに「袖が短い」。
で、女性店員さん曰く、「じゃ、袖を5ミリ出しましょう」と。
この店員さん、こういう「調整」をしたかったみたいです。(--;)
その理由は後ほど…。

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こちらも、まとめて買っちゃおうと思っていたので、似たような感じのスーツを2着試着しました。
どちらも、上はAB6で、袖を5ミリ出す。
下はA6。

で、レジへと向かいました…が、ここからが大変。
この「マイスーツ5日間仕立て」というのは、どうやら「試着した服を、そのまま調整して売るのではない」のでした。

どこぞやに、工場があって、そこに生地があり、指定通りのスーツを、そこで作る。
あらかたのサイズは決めておいて、それを微調整で済ませるという、ニューオーダーシステムみたいです。

だから、店頭では、試着した品番を、パソコンに打ち込んで、そこに「袖を5ミリ出す」「サイドベント」「上着はAB6」「ズボンはA6」「裾上げはシングル」…などと、入力していく。

ところが、入力をしたのが、見た目オバチャン店員だったから、もう大変。
そもそも「品番」を、どこに入力したらいいのか、分かっていなかったみたいでした。
もっとも、品番とか、バーコードの番号とか、似たようなものが色々あるからでしょうけど。

子供と一緒に行っていたんですけど、子供が飽きてきて、「(同フロア内の)本屋に行っていていい?」というので、私も、もう5分くらいで終わりそうなので、「いいよ」と。
最終的に、それから30分以上かかりました(本当)。

結局オバチャン店員では、入力もままならず、フロアマネージャーっぽい男性店員も登場。
でも、彼もよく分かっていない…。
そのうち、試着につきあってくれた女性店員が、「ごめんなさいね、初めてなもんで」ときました。

「(そういうことかい!)」と、私は心の中で叫びました。
「ニヤ~リ( ̄ー ̄)」としながら。
(もちろん、ネタ発見ということで)

店員2名が、しばらく格闘した結果、こんなものが出てきました。

パソコンに打ち込んだものを、その場でプリントするんですな。
今までだったら、手書きでカーボンコピーだったものを、パソコンからプリントアウト。
近代的じゃないですか。

実はスーツは、もっと微調整できるみたいでした。

「ボタンをシングルにするか、ダブルにするか」は聞かれましたけど、「裏仕様」なんて、途中で聞かれなかったゾ。
いや、試着したのは、「背抜」だったので、「暑くなってから着ればいいか…」と思っていました。
でも、裏地をつければ、今からでも着られる。
ま、このあたりのことを聞きもしない、店員さんの動転ぶりが伺えますでしょ(爆)。

ちなみに、私としては、「ネーム」も入れたかったんですけど、店員さんの狼狽ぶりに、「これ以上、混乱に拍車をかけるのも、いかがなものか…」と感じ、やめてあげました。
我ながら、お店思いのいい客ですねぇ。(^▽^

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そしてプリントされたものを、今度は男性マネージャーが、いちいち読み上げ確認する。
「ウザい…」、正直そう思いました。

でも、よく考えたら、というか彼らにしてみたら、ここで間違えて、サイズの合わないものを作ってしまったら、それはどこに行くのでしょう?
大変なロスですね。
だからこその、細心の注意でしょう。

で、このちょっとウザい読み上げ確認が終わると、マネージャー氏がおもむろに印紙を貼りました。
「印紙!? ここまでオンラインで、ここまでIT化して、最後に印紙かよ!」

なぜ、こんなものに印紙を貼るのか、お分かりの方は、経理方面に明るい方ですね。
そう、これは「契約書」なのでしょう。
契約書には、印紙が必要ですからね。
というより、印紙を貼ることで、契約書とみなしたいということなのでは。

ヨーカ堂としては、トラブルは絶対に回避したい。
で、「我々は、お客様の言うとおりに作りました。これが証拠です」としたい。
その相互確認のための「契約書」なのでしょう。

導入して間もないんですね、このシステムは。

メリットには、こんなことが書いてあります。
●新たにCAD、CAMを持つ、全国4工場と提携。
●店舗のパソコンと工場をオンラインで結ぶことにより型紙作成、裁断の作業が短縮化。
●人を介すると発生しがちなミスもありません。
●注文が集中した際は、提携している4つの各工場に分散させる体勢も整えました。
スーツを受け取った時に、男性店員に、根ほり葉ほり聞いてみたところ、スーツを加工する工場は、「生地によって違う」みたいです。
おそらく、仕事が減った中小縫製工場を有効活用するアイディアなのでしょう。

縫製工場としては、もちろん喜ばしいはず。
ヨーカ堂としても、フルオーダーメイドじゃなくても、「オーダーメイドっぽい感覚」を、顧客に体験してもらえることが新機軸。
たしかに「5ミリ単位で調整できる」ことは、私のような「中途半端な体型」には持ってこいですもんね。

そして、その「オーダーメイドっぽいスーツ」が、最短5日間でできる。
何か、この企画を提案した時の「企画書」が、想像で書けそうな気分になってきますな。

ところが、最先端の情報システムを導入して、新しいビジネスモデルを作り上げたけれど、「バグ潰し」を考えていく時に、最後の最後で躓いた。
そして、顧客とのトラブルを未然に回避するために、プリントされたものに印紙を貼るという、未来型と旧来型のハイブリッドのようなシステムになってしまった。
難しいものですなぁ、ビジネスとは。

ちなみに、店に渡したプリントには、署名もさせられております。
これで立派な契約書です。

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ところで、このシステム、本当に「人を介すると発生しがちなミスもありません」なのでしょうか?
だって、店頭で思いっきり、「人」が介しているじゃないですか。
しかも、パソコンとはかけ離れた生活を送っていそうな、オバサマ店員が…。
これだけ数字の入力をするのに、テンキーを使っていないし。
(ヨコにあるのに、使わない。使えない?)

何ヶ月かに一度ずつ、「限定品」で、あちこちのヨーカ堂で、「誤受注品一掃セール」が行われる予感がしてならないのは、私だけでしょうか。

 
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